負荷のサインを見逃さないで。仕事をしていて精神的につらくなった時自分のためにできること。生活習慣の見直しが有効です。

負荷のサインを見逃さないで。仕事をしていて精神的につらくなった時自分のためにできること。生活習慣の見直しが有効です。

長時間労働、過度なプレッシャー、人間関係…仕事をしていて、つらさを感じたことがない人はいないと思います。

疲れが取れない、いつも仕事のことを考えてしまう、つらい・・・そんな時は、どうすればいいのでしょうか?

保健師の本田和樹さまにお話を伺いました。

あなたの「ワーク・ライフ・バランス」は大丈夫?

「そんなに疲れていないはずの日でも、仕事から帰ったらとりあえずすぐ寝て、夜中起きだしてシャワーをして、ご飯を食べて、また寝ています」

日頃、従業員の方から、産業保健師へよくある相談です。

世間では「ワーク・ライフ・バランスを大切に」といわれています。

ワーク・ライフ・バランスとは、自分の時間を仕事とそれ以外をどのようなバランスで分けていくか、ということです。

仕事と私生活にかける時間のバランスをとり、両方を充実させることで、相互に良い効果を生み出すことを目的としています。

しかし、実際にはそのバランスの偏りが大きくなっている方が非常に多いと感じます。

日々の労働による疲労はもちろんのこと、職場でのストレスや人間関係の悩み、私生活においても家事や育児の負担、将来への不安等がのしかかってきて、だんだんと「精神的なつらさ」が大きくなってきていませんか。

そんなときはつらさを和らげるためのステップを踏んで、心と体を少しでも軽くする方法を試してみましょう。

自分自身の精神的な負荷に気づく

疲れ切ってから何かをしようとしても、なかなか始められないこともあります。

ぜひセルフチェック等を利用して、自分自身に精神的な負荷のサインが出ていないか、定期的に振り返りましょう。

おすすめは、厚生労働省が「こころの耳」という働く人へのメンタルヘルス・ポータルサイト内で提供している、「職業性ストレス簡易調査票フィードバックプログラム」に基づいて制作した、「5分でできる職場のストレスセルフチェック」です。

負荷のサインが出ていたら、以下の事項を試してみてください。

生活習慣・リズムを見直す

睡眠・食事・運動は心身を回復させるために大変重要です。いきなり全てを完璧にしようとせず、まずはできそうなことから始めてみましょう。

【睡眠】

〇寝る前には、コーヒーや紅茶(カフェイン)、お酒、タバコを控える

〇朝、目が覚めたら、明るい光をあびる

〇眠くなってから寝床に入る

〇起床時刻を規則的にする

〇寝室は不安を感じない程度に暗く、静かに保つ

〇寝室の温度や湿度を快適に保つ等

【食事】

〇食事を毎日3食、規則正しく食べる

〇食事内容が偏らないようにする

〇食事の時間をゆっくりとる

〇運動量に見合った食事内容・食事量にする等

【運動】

〇息が少しはずむような運動を30分・週2回以上続ける

〇今より1,000歩(10分)多く歩く

〇健康のために身体を動かすことを心がける等

生活習慣改善に取り組む時間をつくるために、だらだらスマホ/タブレットを控える、通勤時間の有効活用等を検討してみるのもいいですね。

執筆者

本田和樹

株式会社エムステージ産業保健事業部 

保健師業務マネージャー

看護師として急性期精神病院で5年間勤務したのち、2020年エムステージ入社。

産業保健師の業務委託事業立ち上げに携わり、現在は複数の企業で保健師として実務をおこなう。

労働と精神衛生についての啓蒙活動、寄稿などもおこなっている。

取得資格:保健師、看護師、養護教諭一種、第一種衛生管理者等

株式会社エムステージ『産業保健トータルサポート』

https://sangyohokensupport.jp/

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キレイ研究室
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「今よりもっと、これからもずっときれいでいるために。」をコンセプトに、化粧品開発、ヘルスケア、ネイリストなどさまざまなジャンルの専門家が、中立の立場から「キレイ」についてのコラムを発信しています。
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