●そもそもテキーラショットの際にレモンやライムをかじる理由は
そもそもテキーラなどの強いお酒をショットで飲むとき、どうしてレモンやライムをかじるものなのでしょう? 日本テキーラ協会の公式ウェブサイトによると、レモンやライムなどの柑橘類の中に含まれるビタミンCは、アルコールによる刺激からのどを守ってくれる効果があるそう。なるほど、確かにポン酢のなかにも柑橘類のエキスが含まれている。それらの代用として、十分役割を果たしうるというわけか。実際どんな味になるのか試してみることにしました。
●テキーラとポン酢の相性は確かに良い!ちなみにイエガーも◎
今回の実証に利用したテキーラは、「クエルボ エスペシャル」。樽熟成によるまろやかな味わいが特徴のテキーラ。ショット量を用意し、飲んだ後にポン酢を少量(醤油さし半分程度)をクイっと飲む。すると、確かにあまり違和感がない。
というよりも、個人的にはむしろポン酢の方が飲みやすいかも! 通常のレモンの場合、顔がシワ~っとなるくらい酸味が強く、テキーラのアルコールの強さと酸味の強さによるWパンチを喰らう印象だけど、ポン酢の場合は酸味に角がなく、まろやか。テキーラ独特の香りを打ち消しながら、舌の上を柔らかくリセットしてくれる。そんな印象を受けました。
テキーラでいけるなら、ショットで飲む他のお酒にも合う可能性が? そう思い立ち、今度は「イェーガーマイスター」というお酒でも試してみることに。一般的にはレモンスライスとともにショットで飲むことが多く、ハーブなどの材料からできていることから癖の強いお酒ですが、こちらもテキーラ同様、イェーガーの臭みをふんわりと包みこんで抑えるような酸味。思った以上に飲みやすかったです。
想像以上のポン酢のポテンシャルにびっくり! でも考えてみれば、ソルティドックという塩をグラスのふちにつけるようなカクテルもあるし、お酒と塩味の相性って、もともと悪くないのかも。ただし、飲みすぎは塩分過多にもなるため当然要注意ですよ。
(文・酒呑坂ゆみ/考務店)