苗字を変えてまで潜入したユニクロ取材がバレそうになった瞬間 横田増生さんが指南する「潜入取材テク」

苗字を変えてまで潜入したユニクロ取材がバレそうになった瞬間 横田増生さんが指南する「潜入取材テク」

●「鳥の目とアリの目」で取材すれば見出しは立つ

ーー最近はネットで声を上げる人も結構多く、待っていても一定数の取材ができるので、そのほうが楽となっているのかもしれません。

「ただね、ネットで声を上げていない組織もありますよ。ユニクロはまず出てきません。守秘義務に縛られてしまっているからです。一企業の守秘義務よりも労働基準法のほうがずっと重いのに。この前、YouTubeでアマゾンとユニクロの話をしましたが、アマゾンは元従業員のコメントがたくさんついたのに、ユニクロはほぼゼロ。潜入は『しゃべらない業界・会社の話を取りに行く』んだと思いますね」

「それと最近、暴露系ユーチューバーがなんでも暴露する時代ですよね。潜入取材は公共性や公益性があるメディアがやってこそ広がりが出ます。アマゾンの問題について書いたのは、日本では僕としんぶん赤旗ぐらいです。でも本来は、朝日新聞や読売新聞やNHKが書かなければならない。GAFAと呼ばれる巨大企業の実態が分からないっておかしいじゃないですか」

ーー新著では、記者を志す人にお勧めの文章術の本も紹介しています。書籍化したい人が潜入取材する上でどんな意識が必要でしょうか。

「まず取材テーマを持って、取材する業界を絞るといいと思います。業界の歴史や労働環境から日本社会の何が見えるかということを考えてみる。裁判になっていたら傍聴しに行ってもいい。潜入後は日記形式で記録を書きためるといいと思います。どう章立てするかは取材内容によるけれども、業界全体を見る『鳥の目』と潜入現場の労働実態などを取材する『アリの目』、両方で見ると見出しは立ちます」

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「専門家を、もっと身近に」を掲げる弁護士ドットコムのニュースメディア。時事的な問題の報道のほか、男女トラブル、離婚、仕事、暮らしのトラブルについてわかりやすい弁護士による解説を掲載しています。
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