●塾を勧めても「困ってね~し」の一点張り
「今考えると、高校受験期は長男が一番尖っていた時期でした。私自身が高校も大学受験も失敗したと感じているので、長男の“勉強しない”“高校見学や説明会に積極的に参加しない”姿を見ていると、ついつい自分の失敗談を引き合いに出して口出ししてしまい、ぶつかり合いに…。焦りのない長男の姿に母が焦るという状態だったなと思います」(月野氏 以下同)
親としてアドバイスしたい反面、「自分の意思で受験校を決めてもらいたい」という思いも強かったという月野氏。
「長男が自ら動くのを、忍耐強くギリギリまで待ってみましたが、いくら待ってもまったく動かない。勉強に関してもそうで、塾に通うことを決めたのは中3の夏休み前でした。しかも表情は深刻なのに、“オレ、塾に行ってやってもいい…”という、なぜか上から目線のセリフでした(苦笑)。それまでは塾通いをすすめても、“はぁ? 全然学校の授業ついていってるし、別に困ってねーし!”と拒否していたのですが、いよいよまずいことに気がついたのがそのタイミングだったのです」
受験に向けて、自分でも焦りを感じ、あわてて個別の進学塾に通い始めた長男くん。だが、成績は上がるどころか急降下。
「こんな時、親は焦りますよね。でもそんな長男でも最終的には自分で受ける公立高校を決めて、何とか合格することができました。私と主人で、どんな学校が向いてるのか考えてある程度調査して『こんな学校もあるよ?』とすすめてみたところ、長男もたまたまその学校の特色が気に入り…ということでしたが。どうせ手を出すならもうちょっと早くにオススメしておいて、長男をのせておけば、自ら学校のことを調べたかもしれないなどと思ったりもします。その経験を踏まえて、次男は早めに見学会など積極的に参加していましたが、早く見るといろんな学校が目に入ってきて今度は志望校を迷いに迷い、長男とはまた違った大変さを味わうことになってしまいました(笑)」
●最終的に自分で選んだ道は、頑張れる
「私の要領が悪いだけかもしれませんが、何度子どもの受験を経験しても、親子ともども悩むことは避けられなさそう」と語る月野氏。
「でも悩んだ末に長男が選んだ高校で、後悔なく楽しく学生生活を送れている姿を見ると、『悩んでよかった! これでよかったんだ!』と感じます。高校の先生も『誰かに言われて仕方なく行った進路は、ちょっと嫌になったら、自分で選んだ道じゃないから…とそれを言い訳にしてすぐやめてしまう。自分で選んだ道はちょっとくらい嫌なことがあっても頑張れるものだ』とおっしゃっていました。最終的に自分で決めるということは、やはり大事なんだと感じました」
そして今現在、高3になった長男くんだが、今度は高校卒業後の進路に迷い悩んでいるという。月野氏のブログでは、今後“長男くんの大学受験”をテーマに、リアルエピソードを見ることが出来そうだ。
(取材・文/蓮池由美子)