「乳がんの前兆となる初期症状」はご存知ですか?医師が解説!

「乳がんの前兆となる初期症状」はご存知ですか?医師が解説!

乳がんの初期症状とは?Medical DOC監修医が乳がんの初期症状・なりやすい人の特徴・検査や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

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※この記事はMedical DOCにて『「乳がんの前兆となる4つの初期症状」はご存知ですか?早期発見法も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
寺田 満雄(名古屋市立大学病院乳腺外科)

2013年名古屋市立大学医学部卒。2017年愛知県がんセンター乳腺科部を経て、2019年より名古屋市立大学乳腺外科および名古屋大学分子細胞免疫学に所属。2020年より、より正確でわかりやすい乳がん情報を発信するために、「一般社団法人BCTube」の立ち上げに携わり、同法人の理事となる。SNSを中心に乳がんに関する動画情報発信や乳がん啓発活動を行う。日本外科学会専門医、乳腺専門医。

「乳がん」とは?

乳がんは、日本では戦後急激に増加し、日本人女性が発症するがんの中では罹患率が第1位で、死亡率は第4位となっています(2021年厚生労働省)。年々増加がみられていることから、今後しばらくは罹患率、死亡率ともに上昇が続くと予測されています。有名人が乳がんを発症し、ブログなどで体験談をつづっているのを見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
乳がんが進行すると、がん細胞は血液やリンパ液の流れに乗って転移することがあります。転移しやすい場所は乳房の近くのリンパ節、骨、肝臓、肺、脳などです。その中で最も多いとされているのが乳房の近くのリンパ節とされています。

乳がんの前兆となる初期症状

乳房のしこり、皮膚の陥没

自覚症状の約83%が「しこりが触れる」といわれています。しこりは皮膚面に突出し、硬く、境界が不明瞭なことが多いです。皮膚の陥没を生じるほどのがんは、その直下にしこりを触れます。無症状でも超音波やマンモグラフィで小さなしこりや石灰化などを指摘され、発見される乳がんもあります。乳房の異常に気付いた場合や検診で異常を指摘された場合は、乳腺外科で診察を受け、早期発見につなげましょう。

乳頭からの分泌液

自覚症状の約5%が「乳頭からの分泌物」です。これは授乳期以外に見られる乳頭からの分泌物のことをいいます。乳頭からの分泌物が血性であったり、常に片側乳頭の1か所の乳管から分泌物が出たりする場合は、がんの可能性があります。気になる症状がある時には早めに乳腺外科を受診しましょう。

乳頭のただれ、かゆみ

乳頭や乳輪にただれやかゆみがある場合、パジェット病という乳がんの可能性があります。ただれたところから出血することもあります。皮膚炎や虫刺されだろうと自己判断せず、早めに乳腺外科を受診しましょう。

乳房の痛み

自覚症状の約2%が「乳房の痛み」です。乳房の痛みはホルモンの影響によるものがほとんどですが、痛みがあるからがんではないという考えは正しくありません。他の病気が隠れている可能性もあるので乳房の痛みを感じた時は自己判断せず、早めに乳腺外科を受診しましょう。

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