7、離婚裁判で勝つためのポイント
離婚裁判訴訟を起こす以上、最も重要なことは裁判に「勝つ」ことです。ここでは、離婚裁判で勝つためのポイントをご説明します。
(1)説得的な主張を行う
まずに、裁判での主張は説得的に行うことです。
離婚を求める場合は、相手方のどのような行為がどの法定離婚事由に該当するのかを明確に、かつ詳細に主張する必要があります。
慰謝料を請求する場合にも、その根拠となる事実を明確かつ詳細に主張しなければなりません。
夫婦間の離婚協議では、単に「あなたのこういうところが悪い」と言うだけも話し合いが進むこともあります。
しかし、裁判では離婚や慰謝料が認められる条件を満たす事実としてどのようなものがあるのかを論理的に説明する必要があるのです。
(2)主張を裏づける証拠を提出する
主張を説得的に行うことができても、その主張を裏づける証拠を提出しなければ離婚裁判に勝つことはできません。
裁判官は第三者ですので、原告・被告のどちらの言い分が正しいのかは分かりません。
判断の拠り所となるのは唯一、当事者が提出する「証拠」だけです。
裁判は絶対的な真実を見極める場ではなく、自分の主張を証拠で証明できた方が勝つコンテストのようなもの、とお考えいただけば、イメージがつきやすいかもしれません。
(3)和解離婚も検討する
離婚裁判は勝つためにやるものではありますが、和解離婚も視野に入れておくことをおすすめします。
先ほどご説明したように、離婚裁判には長い期間がかかります。
そのため、証拠調べ(尋問)前の段階で和解に応じて早期に離婚するのが得策という場合もあります。
もっとも、「勝訴的和解」を成立させるためには、上記のとおり主張と証拠をしっかりと提出しておくことが前提となります。
ただし、裁判で負けそうになったときにも、和解によって全面的敗訴は免れうる可能性があります。
相手方も裁判は早く終わらせたいと思っていますので、譲歩し合って和解できるケースも多いのです。
「負けない方法」として和解を利用できるということも覚えておきましょう。
8、離婚裁判を安心して依頼できる弁護士の選び方
前項の「離婚裁判で勝つためのポイント」をお読みになって、難しいと感じた方がほとんどではないでしょうか。
実際のところ、離婚裁判で勝つためにはプロの弁護士によるサポートを受けることが極めて重要といえます。
弁護士に依頼すれば、あなたから詳しい事情を聴いた上で説得的な主張を行ってもらえますし、証拠集めもサポートしてもらえます。
和解の駆け引きについても弁護士が的確にアドバイスしますので、有利な和解が期待できます。
もっとも、せっかく費用を支払って依頼するのであれば、信頼できる弁護士を選びたいところでしょう。
ここでは、弁護士選びのポイントをご紹介します。
(1)離婚事案の実績が豊富にあること
まずに、離婚裁判を依頼する以上、離婚事案の実績が豊富にある弁護士を選ぶことが大切です。
弁護士の業務範囲は非常に広く、すべての弁護士が離婚事案を取り扱っているわけではありません。
経験の乏しい弁護士に依頼しても、離婚裁判を有利に進めることができるかどうかは疑問です。
インターネットで弁護士を探す場合は、ホームページに実績が掲載されている事務所や、離婚問題に関する詳しいコラムを多数掲載している事務所を選ぶことをおすすめします。
(2)料金が高すぎないこと
弁護士費用の料金体系は弁護士(あるいは法律事務所)ごとに自由に定められていますが、料金の高低と弁護士の能力は必ずしも比例していません。
費用の安すぎる弁護士は考えものですが、高すぎる場合も料金に見合う結果が得られるとは限らないのです。
実績の豊富な事務所であれば、多くの人にとって利用しやすい料金設定となっているはずですので、まず実績を確認し、それから料金体系を確認するとよいでしょう。
(3)話しやすいこと
最後に重要なことは、自分と相性の良い弁護士を選ぶということです。
離婚というデリケートな問題を任せるのですから、相性はとても大切なのです。
相性が合うかどうかは、「話しやすい」かどうかで判断するのが一番です。
相談の際に、あなたの話を必要以上に遮らずにじっくりと聞いてくれるか、弁護士からの説明は分かりやすいか、といった点を確認しましょう。
弁護士との相性が合わないと、打ち合わせや裁判期日のたびにストレスを感じてしまうでしょう。
それだけでなく、意思疎通が円滑にできないとあなたと弁護士とで方針にズレが生じ、望む結果が得られないということにもなりかねませんのでご注意ください。
裁判離婚に関するQ&A
Q1.裁判離婚とはどんなもの?
離婚協議や離婚調停でも話がまとまらない場合に離婚裁判(訴訟)を提起し、判決または和解によって成立する離婚のことをいいます。
Q2.裁判離婚ができる条件ってありますか?
2つあります。
・先に離婚調停を行っていること
・法定離婚事由があること
<法定離婚事由とは>
相手に不貞行為(不倫行為)があったこと
相手による悪意の遺棄があったこと
相手の生死が3年以上不明であること
相手が強度の精神病にかかって回復の見込みがないこと
その他、婚姻の継続が困難な重大な事由があること
の5つがあります。
Q3.離婚裁判を起こしてから終了するまでの期間はだいたいどれくらい?
最高裁判所が公表しているデータを参考にすると、ざっと計算して離婚裁判には平均して1年~1年半ほどの期間を要するといえるでしょう。
まとめ
離婚裁判は夫婦が離婚するための方法の中でも最後の手段で、法定離婚事由に該当することを証明することさえできれば、相手が拒否している場合でも離婚を成立させることが可能です。
しかし、納得できる結果を勝ち取るためには専門的な知識やノウハウが必要ですし、平均して1年~1年半という審理期間も要します。
なるべく早く、少ない負担で離婚を成立させるためには、しっかりとした事前の準備も欠かせません。
裁判離婚をお考えの方は、まずは弁護士の無料相談を利用してアドバイスを受け、準備を始めてみてはいかがでしょうか。
また、離婚全般については以下の記事をご参照ください。
監修者:萩原 達也弁護士
ベリーベスト法律事務所、代表弁護士の萩原 達也です。
国内最大級の拠点数を誇り、クオリティーの高いリーガルサービスを、日本全国津々浦々にて提供することをモットーにしています。
また、所属する中国、アメリカをはじめとする海外の弁護士資格保有者や、世界各国の有力な専門家とのネットワークを生かしてボーダレスに問題解決を行うことができることも当事務所の大きな特徴です。
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