親の介護どうしたらいい? メイプル超合金・安藤なつさんに介護のコツを聞いてみた

「これだけは覚えておいて!困ったときに頼れる2つの場所」

いざ、介護が必要となったら、「まずは地域包括支援センターに相談して」と太田さん。地域包括支援センターとは、介護の相談や申請はもちろん、部屋の片づけができなくなってきたなど、ちょっとした不安から相談にのってくれる場所。しかも相談料は無料というから、かなり助かりますよね。また、介護は入院から始まることも多いため、病院内の医療ソーシャルワーカーに相談するのもいいそう。

地域包括支援センターと医療ソーシャルワーカー。馴染みの薄い言葉だけど、「最低限この2つだけは覚えておくといい」とのこと。「何か困ったことがあったら、とりあえずこの2つに相談すれば、必ずどこかに繋がります。どこかに誰か助けてくれる窓口は必ずあるということを忘れないで」(太田さん)。

突然やってくる介護に、準備万端で臨める人なんてまずいないもの。自分だけでがんばろうとせず、手を差し伸べてくれるプロの手を積極的に借りるのが、介護をスムーズにスタートさせるコツかもしれませんね。

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介護の楽しさを「できなかったことができたとき、ミッションクリアみたいな達成感が得られるところ」と語ってくれた安藤さん。辛い、苦しい、大変、というイメージが強い介護だけど、楽しさも見つけられるといいですよね。ただ「気持ちに余裕を持つためには、やはりがんばり過ぎないことが大事」とも。体の負担が減ることで、気持ちの余裕も出てくることから、家族だからやらないといけないという考えは捨て、プロの手を借りての介護を推奨していました。がんばり過ぎて、介護する側が倒れたら、それこそ本末転倒。「やらねば」じゃなくて、自分がやりたいこと、できることを、まずは整理することから始めてみようと思いました。

安藤なつ
お笑いコンビ「メイプル超合金」として、2015年M-1グランプリのファイナリストに。バラエティを中心に女優としても活躍中。介護職に携わっていた年数はボランティアも含めると約20年。ヘルパー2級(介護職員初任者研修)、介護福祉士の資格も持つ。

太田差惠子
介護・暮らしジャーナリスト。1993年頃より老親介護の現場を取材。「遠距離介護」「高齢者施設」「仕事と介護の両立」をテーマに執筆や講演を行っている。AFP(日本FP協会認定)資格を持ち、「介護とお金」にも詳しい。介護関係の著書多数。

撮影:FUMIKO TAGAMI 文:酒詰明子

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