夏ドラマ名作ベスト5。ハートフルな“西園寺さん”も最高だけど、圧倒的な面白さのNo.1は

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降り積もれ孤独な死よ

サスペンスものとして楽しめたのは、成田凌主演の『降り積もれ孤独な死よ』(読売テレビ・日本テレビ系)でした。7年前に“灰川邸”で起きた13人の少年少女監禁死体遺棄事件と、2024年に起きる1人の少女失踪事件が交錯する重厚ミステリーです。

サスペンス展開×深い人間描写に惹きつけられる


灰川十三(小日向文世)を慕って、“灰川邸”に集まっていた子どもたちは、みな実の親から虐待を受けていました。事件の真相を追う主人公・冴木仁(成田凌)自身も、虐待を受けた傷を抱えています。

本作は毎話新たな真相が明らかになるサスペンス的展開に加え、心にも体にも傷をもつ登場人物たちの背景と心理を丁寧に描くことで、観る者を惹きつけました。刑事でありながら自身の暴力衝動を抑えられない葛藤と凶暴性を表現した成田をはじめ、深く傷ついた心をそれぞれに演じた俳優陣も印象的。

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だからこそ最終回は、冴木の台詞「繋がって来たのは暴力だけじゃない。誰かが誰かを守りたいという想いもずっと繋がってきたはず」。そして冷淡に描かれ続けた灰川が、子どもたちに見せた素顔の優しさが相まって、涙なくしては観られませんでした。あの一瞬で灰川の、物語の真髄を表現した小日向文世には脱帽です。

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