遅延損害金とは? 算出方法や支払えない場合の対処法を解説

遅延損害金とは? 算出方法や支払えない場合の対処法を解説

5、遅延損害金を発生させないためにできること

遅延損害金を発生させないためには返済日にきちんと返済することが解決法になりますが、返済が難しいというような場合もあるでしょう。

遅延損害金を発生させてしまうような場合には、次の方法を試してみてください。

返済期日を把握する
借入先に相談する
時効の成立を確認する

(1)返済期日を把握する

借入先が1社だけではなく複数ある場合、返済日がそれぞれ異なるため返済期日を把握しきれないというようなこともあるでしょう。

そのせいで、返済日を過ぎてしまうことが何度か続いているというような場合には、ローンの一本化を検討してみてください。

ローンの一本化とは、複数のローンを1つのローンまとめることを指し、各金融機関で「おまとめローン」などの商品名で用意されています。

返済先が1社になるので管理が楽になり、金利も下がる可能性があります。

(2)借入先に相談する

遅延損害金が発生する前に、まずは借入先に相談してみましょう。

支払う意思があることを示し、

返済期日の延長
返済計画の見直し

などに応じてもらえないか話してみてください。

場合によっては借入先も柔軟に対応してくれるかもしれません。

ただし、滞納している状態で相談しても応じてもらえない可能性があるので、返済期日よりも早めに連絡すること(滞納する前に)をおすすめします。

(3)時効の成立を確認する

ずっと返済をしていなかった借入や、長期間連絡がなかったものの突然返済請求がきたという借入の場合には、時効の成立を確認しましょう。

借金にも時効が存在し、時効が成立していれば返済する義務はなくなります。

借金の時効は、

知人など個人間での借金は10年
銀行など金融機関からの借金は5年

になります。

 

6、遅延損害金を支払えない場合の対処法

遅延損害金が発生したものの支払うことが難しいというようなケースもあるでしょう。

遅延損害金が支払えないということは、滞納している借金の返済も難しいということになります。

この場合、以下の手段を検討してみてください。

借入先に相談する〜最低弁済を行う
住宅ローンを滞納している場合は任意売却を検討する
債務整理を検討する
弁護士に相談する

(1)借入先に相談する〜最低弁済を行う

ケガや病気など、何らかの事情で一時的に収入が減少して返済が難しくなってしまうこともあるでしょう。

もし一時的に返済が難しいものの、その後返済できるという場合ならば、借入先に最低弁済の相談をしてみましょう。

最低弁済とは、最低限の金額だけを支払うというものです。

事前に借入先に相談して具体的な返済計画を提示すれば、遅延損害金の請求は行われないようなケースもあります。

(2)住宅ローンを滞納している場合は任意売却を検討する

住宅ローンを滞納している場合には、任意売却を検討してみましょう。

任意売却とは住宅ローンの残っている不動産を売却する方法で、売却金をローンの返済に充てることができます。

ただし、債権者である金融機関の同意が必要になります。

そのまま住宅ローンを滞納して差押えになり、競売になってしまうよりも高く売却できる可能性があります。

(3)債務整理を検討する

遅延損害金が積み重なって支払いが困難になってしまっているような場合には、債務整理を検討してみましょう。

債務整理を行えば、

借金の減額
返済の負担の軽減

が期待できます。

①任意整理

任意整理とは裁判所を介さずに、債権者と利息カットなどを交渉する方法です。

債務整理したい債権を選ぶことができるため、保証人がいる債権を避けて債務整理を行うことができます(保証人がいる債権を債務整理した場合、保証人は一括返済を求められてしまいます)。

②個人再生

裁判所の手続きにより、借金を大幅に減額できる方法です。減額された借金を3~5年で返済していきます。

ただし、債務整理する債権を選ぶことができないため、保証人のいる債権も対象になります。

③自己破産

裁判所の手続きにより、借金を免除することができる方法です。

生活に必要な原因や生活用品以外は差し押さえになり、換金して返済に充てられます。

ブラックリストに載るなどのデメリットもありますが、借金額が多ければメリットは大きい手続きでしょう。

(4)弁護士に相談する

現時点では遅延損害金を含めた借金の返済が難しいという場合、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

借金や経済状況などを説明することで、ご自身に合った対処法のアドバイスを貰うことができます。

とくに債務整理を検討している場合には、一度弁護士に相談してみることをおすすめします。

債務整理を行うことで生活の立て直しも期待できますが、債務整理の中のどの手続きがご自身の状況に適切なのか見極める必要があります。

また、債務整理手続きは複雑なので、専門家である弁護士に手続きを任せることで負担を大幅に軽減することができます。

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