3、B型肝炎の初期症状から悪化する危険性と、どのような経過を辿るのか?
(1)持続感染している場合
持続感染した場合には、約10~15%の人が慢性肝炎を発症し、治療が必要になるものとされています。
ただし、慢性肝炎を発症している場合でも、「3ー(2)一過性感染の場合」で述べるように、一過性感染の場合の急性肝炎のように自覚症状がはっきりと出ることは少ないとされています。
残りの約85~90%の人は、一時的に何らかの症状が現れることもありますが、すぐに沈静化し、落ち着いた状態(無症候性キャリア)となります。
慢性肝炎のうちに適確な治療をしない場合、慢性肝炎が肝硬変や肝がんに進展する可能性もありますので、場合によっては治療をし、経過を観察していただく必要があります。
これらの病状は、自覚症状もないままに進展する可能性もあります。
ですから、B型肝炎ウイルスに感染していることが判明した場合には、まずどのような感染であるかを血液検査で調べ、定期検査をすることにより肝機能に異常がないかを調べ、異常が見つかった場合には直ちに専門的な治療をする必要があります。
(2)一過性感染の場合
一過性感染の合には、多くの方は自覚症状もないまま治癒(不顕性感染)しますが、約20~30%の方は急性肝炎(顕性感染)を発症します。
一過性感染の場合における急性肝炎とは、上記2.のような症状が現れるものの、数か月以内に治癒する症状のことをいいます。
急性肝炎を発症した場合には、約1~2%の方において劇症肝炎化することがあります。
劇症肝炎とは、急性肝炎がさらに悪化したもので、発熱や強い吐き気に加え意識障害まで現れ、死に至る可能性もあります。
4、B型肝炎の初期症状・その後の症状は治癒できる?
上記「3ー(2)一過性感染の場合」で述べたように、一過性感染の場合には感染してから約6か月程度で治癒することになります。
その場合には、B型肝炎ウイルスを原因として健康上の問題が生じる可能性はなく、再びB型肝炎ウイルスに感染することもないものとされています。
一方で、持続感染の場合には、B型肝炎ウイルスが体内に住みつくことになりますので、肝機能の状態が落ち着いている場合であっても、定期検査等をしていただいて経過を観察する必要があります。
配信: LEGAL MALL