サステナブルフードとして注目されている「プラントベースフード」。興味はあるけど、どのようなものなのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか。そこで、今回は人気企業のおすすめ食材が集う「おいしい博覧会」で開催された早稲田大学准教授の下川哲さんによる食と社会問題についてのセミナーの内容と、家庭でも取り入れやすいプラントベースフードを紹介します。
「プラントベースフード」とは?
プラントベースフードとは、植物由来の原材料を使って畜産物や水産物に似せて作られている食品のことです。例えば、スーパーなどでもよく見かけるようになった大豆ミートは、大豆を使ってお肉のように見立てた加工食品になります。
「食」を取り巻く現代の問題
イベント「おいしい博覧会」では、早稲田大学准教授の下川哲さんが「食料経済学の観点からみる食の未来」をテーマに、食の問題や持続可能な食について解説してくれました。
農業生産に関する問題では、農業従事者の減少と高齢化や人手不足解消のための機械を用いた場合のエネルギー自給率の低さ、飼料・肥料の自給率の低さなどがあげられます。また、自然資源に関する問題では、気候変動による影響や自然資源の破壊は回復に何百年もかかるため、現在の問題は未来の世代の食生活にまで影響を及ぼすと考えられます。
「食べることに関する問題」は生活者にとって身近で自分ごと化しやすい一方で、「農業生産に関する問題」「自然資源に関する問題」は、無関心になりがちです。しかし、これらの影響を無視した食生活は、地球環境や将来世代の食に想像以上の悪影響を与えていると、下川さんは話します。
健康的で持続可能な食生活をはじめてみよう
例えば、限りある水産資源を持続可能にするため、大豆などを主原料とした100%植物性の「代替ツナ」なども販売されています。また、キユーピー株式会社は、プラントベースフードの開発に取り組み、その第一弾として原材料の大部分を植物由来のものから作ったスクランブルエッグのような味わいの「HOBOTAMA」(ほぼたま)を業務用市場に向けて発売しました。
ケンコーマヨネーズの「お豆でつくったツナのサラダ」(778円)は、一般向けにも販売されていて、見た目も味もいつも食べているツナマヨでびっくり!ほんのりお豆の甘さがあって食べやすいです。豆類に含まれる植物性タンパク質は健康面でも注目されていて、プラントベースフードは環境だけでなく、体にもやさしい食品なのです。
意識してみると、既にレストランやコンビニでもプラントベースフードが取り入れ始めており、私たちの生活に身近な食品となってきていることがわかります。これからの未来の食を守るためにも、他人事ではなく自分事としてとらえて食と向き合っていきたいですね。
配信: あんふぁんWeb