「勇気づけ」を子育てに取り入れるメリット
アドラー心理学の勇気づけを子育てに取り入れると、以下のようなメリットがあると言われています。
・子どもが何でも自分で決められるようになる
・子どもが自分自身の価値を決められる
・自己中心的ではなくなる
・自分の意思で相手を喜ばせる行動をとるようになる
・チャレンジ精神が生まれ困難にも立ち向かえるようになる
・人と助け合うことができ、親が手を出さなくても自分で育つようになる
どれも大人になってから、社会で強く生きていくために大切なことかもしれません。
また、親子関係や周囲との人間関係に悩んでいた場合は、アドラー心理学を取り入れることで人に対しての見方や接し方が変わり、信頼し尊敬し合えるような良い関係性になるケースも。
親が自分自身や子どもを信じることで、他の子と比較せず子どもの成長をマイペースに見守れるようになります。
子どもの行動をポジティブにうれしく感じられるのでストレスなく子育てできるようになるかもしれません。
出典:アドラー心理学に基づく勇気づけの子育て入門(学校編、家庭編)~ほめない、叱らない、勇気づける
アドラー心理学式「勇気づけ」のポイント
勇気づけを実践する際のポイントについてご紹介します。
子どもの存在そのものに価値があると認識する
まずは、子どもが生まれてきてくれたこと、健康に生きていてくれることに感謝しましょう。
そうすることで子どもも、自分はママやパパから与えてもらっているだけではなく、家族へ貢献し役に立っている価値ある存在だと思うことができ、自分自身を好きになれるため、勇気づけにつながるでしょう。
子どもを信頼し、大人と対等に扱う
「どうせできないから、守ってあげなければ」といった子ども扱いはせずに、子どもを信頼し大人と対等に扱いましょう。
そうすることで、「命令、強制→お願い、依頼」「威圧→励まし」「ほめて評価する→感動を共有する」といったように、親子の関わり方が全体的に変わってくるかもしれません。
また、子どもから頼まれていないことを親が積極的にしてあげて甘やかすことは、自分でできるはずの機会を逃すことになるかもしれません。
子どもからのお願いがない限りは、甘やかさずに必要な援助だけするようにしましょう。
子どもに自由な判断や決定をしてもらい、どのような結果になるか一度体験させてあげることで、自信が生まれて責任感が養われることもあるようです。
完璧を目指さずに、短所は長所として捉える
アドラー式子育てでは「完璧を目指さないこと」が大切とされています。
完全な人はおらず、みんな何らかの欠点や弱点をもっていると思えば、謙虚になり相手のことも受け入れやすくなるでしょう。
そうすると、ありのままの子どもを認め、子どもの短所も長所として捉えることができるかもしれません。
家族など周囲の人から受けた影響で、「子どもの短所はこれだ」と思い、直すべきだと信じてしまっていることもあるでしょう。
しかし、アドラー心理学では、短所を指摘してもやる気をなくすだけで、子どもが自分から良い行動をするようにはならないと言われています。
例えば、「優柔不断→ゆっくりと思考する力がある」「飽きっぽい→いろんなことに好奇心を持てる」「忘れっぽい→執着しない」など、気になる所はポジティブに捉えるようにしてみましょう。
他の子どもと比較しない
他の子どもとつい比べて優劣をつけてしまうことがありますが、比較することは勇気づけの観点からみると決してよいことではありません。
比較する対象は他の子ではなく、過去のその子ども自身にするのがよいでしょう。
「昔はできなかったのに、今はできるようになったね」と子どもの成長に目を向け、自分だけでは気づきにくい点を伝えてあげましょう。
結果でなく過程に注目する
子どもが良い結果を出した時はつい褒めたくなりますが、「一位をとってすごい!」ではなく、「〇〇を毎日がんばったからだね」と努力の過程の方を認める声かけにしましょう。
つまり、結果そのものよりも、どのように努力しどの程度進歩したのかに着目して認めることが大切です。
悪い結果の場合も、同じように努力の過程を認め、何がだめだったのかを一緒に考えて手助けをしてあげるとよいかもしれません。
失敗したときこそ子どもに寄り添った勇気づけが必要でしょう。
作為や思惑を込めない
子どもが何かしてくれた際、「ありがとう」と感謝を伝える時に「次もまた期待している」という作為的な思惑は込めないようにします。
そのような気持ちが子どもに伝われば、せっかくの子どもの良い行いも、一時的な気まぐれで終わるか、お礼を言われることを期待して行動したり、お礼を言われなければ良い行動を取ろうとしなくなるかもしれません。
10歳前後の関わり方が特に重要
アドラー式子育てでは、子どもの人格や性格は10歳頃までに形成されると考えられており、10歳前後の関わり方が特に重要視されているようです。
これまで意識してこなかった方も、少しずつでも勇気づけを心がけてみるとよいかもしれません。
出典:アドラー心理学に基づく勇気づけの子育て入門(学校編、家庭編)~ほめない、叱らない、勇気づける
配信: ASOPPA!