アドラー心理学式「勇気づけ」の具体的な実践方法
勇気づけの具体的な実践方法についてご紹介します。
褒めたい場合の勇気づけ
アドラー心理学では、褒めることは基本的に上から目線の行為であり、立場が上の人が下の人を評価していると考えられています。
今まで褒めていたシーンで勇気づけをするときは、子どもと同じ立場になり親の気持ちを伝えることがポイントになります。
<例>
・子どもが家事を手伝ってくれた時
褒める「えらいね! 上手だね!」
↓
勇気づけ「手伝ってくれて助かった! きれいになって気持ちいい! ありがとう!」
・学校で子どもの成績がよかった時
褒める「すごい! さすが!」
↓
勇気づけ「○○ちゃん嬉しそうだね! ママも嬉しい」
叱りたい場合の勇気づけ
アドラー心理学では、子どもを叱って親の思い通りに行動させるのは、子どもを支配している上下関係の状態にあると言われています。
子どもに何かしてほしい時は、命令口調ではなく親の気持ちを伝えてお願いしたり、子ども自身にどうしたらできるようになるか考えてもらうことがポイントになります。
<例>
・子どもがちゃんと片づけない時
叱る「ちゃんと片づけてよ!」
↓
勇気づけ「部屋が散らかって困るの。少しでも片づけてくれると助かるな」
・子どもが遊びたがって家に帰らない時
叱る「○時になったら帰るって言ったでしょ! なんで守れないの!」
↓
勇気づけ「帰るのが遅いとママもパパも心配するよ。どうしたら帰れると思う?」
注意が必要な子どもへの言葉の投げ方
親が下記のような言葉を使っていると、勇気づけとしては好ましくないとアドラー式子育てでは考えられています。
一度自身の言動をふり返ってみて、できるだけ使わないように注意してみるとよいかもしれません。
・過保護
「あなたにはまだ無理よ」「わたしがやるから、しなくていいよ」
・過度の放任
「好きにしなさい」「勝手にしなさい」
・拒否、批判的
「なんて意地悪な子なの」「うちの子じゃない」「こんな子に育てたつもりはない」
・憐れむ
「可哀想な子だね」
・一貫しない
昨日と今日で逆のことを言うなど、気分で態度が変わる
・軽蔑
「何をしても、だめな子だね」「こんなこともできないの」
・権威的
「親の言う事が聞けないの」「子どものくせに生意気」「だめなものはだめ」
・おどす
「これをしなかったら、○○をあげません」「これをしなかったら、どうなるかわかる?」
・高望み、競争過剰
「これくらいできて当たり前」「あの子はできるのに、何でできないの」
出典:アドラー心理学に基づく勇気づけの子育て入門(学校編、家庭編)~ほめない、叱らない、勇気づける
アドラー心理学を参考にしよう
子育てをしていると、どうしても必要以上に子どもを褒めたり、言うことをきかせようと叱ったりしてしまうこともあるでしょう。
その親子にとって効果があるかどうかは個人差がありますが、子どもとの関係性に悩んでいる場合は、アドラー心理学の「勇気づけ」を取り入れることで、少しずつでも関係性がよくなり子どもの自立心が育まれることもあるかもしれません。
子どもの貢献には感謝を示し、頑張った過程を評価する、子ども自身の成長に注目するという点がポイントになるでしょう。
アドラー式子育てを参考に、子どもが自信をもち社会で強く生きていくために大切な勇気を身につけられるとよいですね。
※記事転載元:KIDSNA STYLE(株式会社ネクストビート)
配信: ASOPPA!
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