Z世代が超現実的な理由は?
学生向け学習管理SNS「Penmark」を運営する「ペンマーク」(東京都目黒区)が、Z世代実態調査として「理想の年収」に関するアンケート調査を実施し、その結果を発表しました。調査は、2024年7月、全国の現役大学生1116人を対象にインターネット上で行われました。
それによると、30歳までの理想の年収は、「500万円~600万円未満(21.7%)」「400万円~500万円未満(17.7%)」「600万円~700万円未満(15.0%)」が上位を占めました。
一方、最低限ほしい年収は、「400万円~500万円未満(23.6%)」「300万円~400万円未満(23.1%)」「500万円~600万円未満(19.5%)」が多く挙げられています。30歳までの理想の年収と最低限ほしい年収の差は100万~200万円程度にとどまり、理想と現実のバランスを考慮した現実的な傾向がうかがえます。
「共働きを想定して、現在の一人暮らしの生活費から逆算した」、「理想を追い求めるというよりも、SNSで見た生活水準を実現するために、現実的にこれくらいの年収があれば十分だと感じたため」、「匿名のアンケートとはいえ、実現不可能な年収を答えることには抵抗がある」などのコメントが寄せられており、調査を行った「ペンマーク」は、「これまで両親や身近な人の収入による生活からしか想像できなかった年収別の暮らしぶりがSNSの普及により具体的に見えるようになった点や、それに伴い『昔は理想=夢』に近かった年収観が、『理想≒実現可能な目標』という感覚に変化している様子が明らかとなりました」と分析しています。
そんな現実志向のZ世代ですが、1000万年収があった場合、何を優先するのでしょうか?
「年収が1000万円あった場合、何に優先的に使いたいですか?」という質問に対して、最も多かった回答は「貯金(50.9%)」、次いで「投資(41.4%)」という結果になりました。
「貯金」と「投資」がトップ2に挙がったことから、大学生が「旅行」「食」「服飾」「美容」といった消費を後回しにし、将来の経済的安定を非常に重視していることが明らかになりました。
調査を行った「ペンマーク」は、「貯金や投資への関心の高さは、不安定な経済環境や将来の不確実性に対する慎重な姿勢を反映しています。さらに、2022年に始まった高校での金融教育義務化から1年が経過し、昨年当社が高校生13万人を対象に行った調査でも、半数以上の高校生が「投資に興味がある」と回答しました。この結果からも、Z世代が長期的な人生設計において、経済的な安定を求めていることが示唆されます」とコメントしています。
(LASISA編集部)
配信: LASISA
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