嫌味も愛おしく感じさせる“神経質”が新鮮!
新たな切り口という意味では、西島の“三谷幸喜作品”初参加となった映画『スオミの話をしよう』のキャラクターも新鮮でした。本作ではヒロイン・スオミ(長澤まさみ)の4番目の夫である、神経質な警察官・草野を演じています。
映画を観たら、その“神経質さ”は想像以上。色んなことに、とにかく細かい!! スオミに、彼女との“キス”について言及するシーンがあるのですが、こんなこと相手に言われたら誰でもブチ切れるような内容でした(笑)。しかし、なぜかイラッとさせないのが西島の不思議なところ。三谷監督も、SNSに公開した撮影日誌で次のように語っています。
<初めてご一緒する西島さん。料理が苦手だと言うスオミに「料理だけが苦手な言い方だな」と返す。かなり嫌味なセリフを、とても清々しく言ってくれる西島さんに、一瞬で信頼感が芽生えた。>(三谷幸喜Instagramより)
嫌味な台詞を清々しく“イラッ”と聞かせないのは、草野という人物を魅力的に見せるポイントだったのかも。過去にダメ男も色々演じてきた西島ですが、どうしてもどこか憎めないキャラクターになっています。役のもつ人間らしい愛らしさを表現するのが彼の魅力であり、好感度が高い理由なのかも知れません。
にじみ出る真摯な人柄が好感度を爆上げ
西島は映画の告知で多くのバラエティ番組にも出演していましたが、下積みが長かったからか、ベテランなのに驕(おご)った様子がまったくありません。目の前の人に対して真摯に向き合い、バラエティでも心からその企画を楽しんでいます。『バナナマンのせっかくグルメ!!』(9月8日放送/TBS系)で、店舗に腰低く撮影交渉をする姿や、出されたご飯を美味しそうに間食する姿、「天ぷらにハマっている」とはしゃぐ姿は、実に自然で彼の人柄を感じさせました。
また「ダンスは苦手」と公言していたのに、『スオミの話をしよう』ではダンスシーンも初披露した西島。苦手なダンスも、苦手ながら懸命に、楽しみながら踊っていることがスクリーンから伝わってきました。変わらず持ち合わせてきた好感度に、三谷監督のスパイスが加わり、また一味ちがった“俳優・西島秀俊”が楽しめます。
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米アカデミー賞国際長編映画賞をはじめ多くの賞を受賞した映画『ドライブ・マイ・カー』の主演を務め、日本を代表する俳優の一人である西島。次はどんな役に挑んでくれるのか。また新たな挑戦で私たちを魅了してほしいです。
<文/鈴木まこと(tricle.ltd)>
【鈴木まこと】
tricle.ltd所属。雑誌編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとして活動。日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間ドラマ50本、映画30本以上を鑑賞。Twitter:@makoto12130201
配信: 女子SPA!
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