材料
「おはぎ」も「ぼたもち」も主な材料は3つだけ。とてもシンプルな材料ですが、それぞれお祝い時によく用いられる食材です。
もち米
お正月やお祝い時によく食べられるおもちは、神様へのお供え物する神聖な食べ物であり、食べると力を得られると考えられていました。秋分の日の時期は新米の季節。その年の収穫に感謝し、次の年も実り豊かに収穫できるようにとの願いも込められてお供えします。
おはぎやぼたもちでは、もち米やうるち米を混ぜたもち米を蒸したり炊いたりしてから半分潰して、粒を少し残した状態で使います。ちなみにこの半分潰した状態を「半ごろし」と言います。ちょっと怖い……。
小豆
小豆は赤い色をしていますが、赤は邪気を払う色とされています。そのため魔除けや厄除けの意味合いを込めて、お祝い時には小豆が用いられました。秋分の日も、先祖をお迎えして供養するために、邪気を払う小豆を使ったおはぎを供えます。
砂糖
今では何も気にもせずに使われる砂糖ですが、昔はとても貴重なものだったので、お祝い事などの特別なときにしか使うことができませんでした。砂糖が手に入らず、塩で味つけしていたこともあったようです。
作り方や形状
大きさや形は地域によって違いが多少あると思いますが、おはぎもぼたもちも作り方は同じ……と思っていたら、実はちょっとした違いがあったんです。
かつての「おはぎ」は粒あんで包んだ細長い俵型、「ぼたもち」はこしあんで包んで丸く大きく作ったものだったのだそう。これは小豆を収穫したばかりの秋は皮がやわらかいので粒あんで作ったのに対し、春は固くなった皮を取り除いてこしあんにして包んでいたんです。今では保存や加工技術が上がり、季節に関係なくどちらのあんこも作ることができるようになりました。
ほかにも大福のように中にあんこを入れた形状のものや、あんこ以外のきなこやごまも定番ですよね。
配信: マイナビ子育て