きょうだいが少ない家でもスケジューリングが大変になることがある学校行事、大家族ではどうしているのでしょうか。
フジテレビの密着ドキュメントが大反響を呼び、YouTubeチャンネル「漆ちゃんfamily」も、登録者数も44万人と人々の注目を集めるうるしやま家。
笑顔と笑い声があふれる6男7女15人の大家族の中心にいるのお母さん・漆山佳月さんが語る「うるしやま家の家訓」とは、どのようなものなのでしょうか?
今回は著書『15人大家族 うるしやま家のママ流 笑顔がたえない36の家訓』(KADOKAWA)より、2つの家訓
・どんなに忙しくても式典には出席する
・学校の役員は子どもを産んだ責任の1つ
をお届けします。
家訓 どんなに忙しくても式典には出席する
学校関係のイベントごとは、授業参観であれ運動会であれ調整に苦労するのですが、特にたいへんなのは卒業・入学シーズン。
日にちも重なったり、お客様の卒業・入学の着付けやヘアセットの予約、自分の子どもの支度もあるので、早朝から連日ドタバタです。
「〇時から△時までこっち行くから」
「じゃあ、わたしは☆時からこっちに行くね」
と、夫と手分けして出席しています。
小学校入学の日は学童保育の入室式もあったりしますし、そこで役員決めなどもあるので、パズルみたいにスケジュールを組んでいます。
たいへんとはいえ、これまで卒業式・入学式に行かなかったことはありません。それは、わたしたち親が子どもの晴れ姿を見たいというのが一番の理由です。
卒業式・入学式が特に忙しいのは、わたしたち夫婦が「出席」するだけでなく、着付けやヘアメイクなどの仕事もあるからなんです。
卒業・入学シーズンは、幼稚園や保育園、小学校、中学校、高校、専門学校、大学と、たくさんの学校の子どもたち、先生たちのお支度をさせていただいています。
公立の小学校や中学校はだいたい日程が重なるので1日に何校もあります。お客さんとして来てくださる先生方や生徒さんたちの予約が埋まっていて、それに着物の着付けはわたしの担当なので、フル回転です。
3月はほとんど家を出るのが早朝! ほぼ寝られない日が続きます。
そんな中で自分の子どもの卒業・入学がある時は、まずは仕事に行く前に子どものヘアセットだけします。寝ている子どもを起こすのが、夜中の3時とか……。
お客様のお支度を終えて帰宅してから娘の着付けをします。
わたしも夫もお店の仕事が終わりしだい、自分たちの支度をして急いで式に駆けつけます。そうなると、当然自分たちは最低限、さっとスーツを着るというくらい。
えらいなと思うのは、式典の日、主役の子どもたちは自分で荷物を用意して時間通りに家を出るということ。
わたしたち親は、「行ってらっしゃい」と見送ってあげることはできません。
卒業式・入学式のみならず、七五三シーズンの朝もわたしたちは家にいません。
わたしたちの両親が近くにいれば来てもらえるのかもしれませんが、そういう環境にはありません。小さいころからそうしているので、「自分で支度して行くものだ」と思ってくれているのかもしれません。
驚くことに、子どもたちは式典にも学校にも遅刻したことはないんです。
親がいなくても、自分たちでできることは自分でやる。すごく頼もしいですし、助かっています。
「ご飯食べたよ」「今から家を出るね」とお店に電話が来るので、それも安心材料の1つです。
だからこそ、どんなに忙しくても、少し遅れてしまっても、必ず式典には出席します。
子どもたちの成長を改めて確認し、ここまで育ってくれたことに感謝で胸がいっぱいになります。
家訓 学校の役員は子どもを産んだ責任の1つ
PTAの役員問題はどこの学校でもあると思います。
「できない理由」や「やりたくない理由」っていろいろあるけれど、子育てに限らず、介護している人もいるし、働いている人もいる。専業主婦の方だって、みんな忙しいです。
なので、忙しいのはみんな同じ。そう考えると、わたしも子どもが多いからっていうのは理由にできないなと思っています。子どもを産んだ責任の1つだとも思っています。
なので、役員はけっこうやりました。保育園、小学校、中学校、高校もやっています。自治会の役員も、学童の会長もやりました。役職はくじ引きで決まりました。
高校は、毎年入学式の保護者会でくじ引きなんです。当たったら、3年間やらないといけない。
それが、今は高1の子と高2の子のクラスでダブルで当たったのですが、高校同士が離れているのでバタバタです。
以前、小学校で書記になったことがありました。書記は、毎月の会議で議事録をとって、パソコンで清書して提出したり、入学説明会の書類の準備とかをしなくてはいけなくて。一緒に役員をやってたお母さんと、お互いに役員の仕事ができるのが夕飯の片づけが終わった後の夜9時くらい。そこから2人で学校に行って、毎週朝方まで準備したこともありました。
夜中に、ずーっと印刷して並べて書類そろえてとか、すごく大変でした。
バザーのある日は、本部の役員の方が朝早くから集まって準備をします。いろいろ担当が割り振られていて、わたしは唐揚げを作る担当でした。集合する前に家で数キロの唐揚げを作って、現場で2度揚げをしました。家中が唐揚げの匂いでいっぱいでした。
でも、役員をやるといいこともたくさんあります。
たくさんのお母さんお父さんたちと知り合えたのは、すごく大切なご縁で今でも宝物です。当時、一緒に役員をやってた方たちとは、今でも仲良くさせていただいています。
あと、先生方とのやりとりも増えるので、お話しする機会も増えます。会議や作業の合間に、進路の話を聞くこともできます。
広報担当になると、運動会とかで一番いい場所で写真が撮れます。役員の特権なので、今年は、高校生組の体育祭のベストショットが撮れました。
一番よかったのは、子どもたちが喜んでいたこと。役員だから、一般の親御さんが行く授業参観とか運動会以外にも学校に行くことが多いんです。学校で会うとすごく喜んでいました。
思春期になっても、長男の頃から、学校行事に来ないでと言われたことは一度もないです。
きょうだいが多い分、自分のことを見てくれる、自分のためにやってくれるというのがうれしいのかもしれません。
役員は忙しいですが、子どもが喜んでくれる貴重な仕事だし、親の責任の1つだと思っています。
15人大家族 うるしやま家のママ流 笑顔がたえない36の家訓
配信: マイナビ子育て
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