●勾留満期後の確実な起訴の見込みで逮捕か
また、本件の過失の認定にあたっては、船舶の整備や、運行決定等の過程も重要で、関与している多くの人からの事情聴取が必要と見込まれます。
これらの関係者は、被疑者の取引先や従業員など、親しい人物が多いですから、関係者への働きかけによる罪証隠滅のおそれも一般論としては懸念されます。
このように、事案の重大性や、関係者多数といった内容から、類型的に、逃亡や罪証隠滅の恐れが高い事案であると判断して、逮捕に踏み切ったものと思われます。
今回の逮捕は、検察庁送致後、勾留期間満了後に、確実に起訴できるであろうとの見込みで行ったのではないでしょうか。社会的に耳目を集める事件であり、検察内部でも、上級庁との協議も含めて、十分に検討されていると推察されます。
【取材協力弁護士】
荒木 樹(あらき・たつる)弁護士
釧路弁護士会所属。1999年検事任官、東京地検、札幌地検等の勤務を経て、2010年退官。出身地である北海道帯広市で荒木法律事務所を開設し、民事・刑事を問わず、地元の事件を中心に取り扱っている。
事務所名:荒木法律事務所
事務所URL:http://obihiro-law.jimdo.com
配信: 弁護士ドットコム