気を付けていても、自分で確認することが難しいもののひとつが口臭ですよね。
周りの人に不快感を与えているのでは・・・と不安に思われる方もいるかもしれません。
そもそも、どうして口臭は発生してしまうのか、どうすれば対策できるのか?
今回は、ティオデンタルオフィス 理事長の小松裕先生にお話を伺いました。
気になる口臭・・・まずは原因を探ることが大切
人のニオイで最も嫌な臭いの一つは口臭です。
口臭がすると不潔で不健康に思われてしまうこともあり、気をつけなければならない体臭の一つです。
口臭は口腔内の問題・食事による原因・胃などの消化器系に問題がある場合に分かれます。
歯科の診察においてとても重要で、ニオイから歯垢、根尖性歯周炎、歯周膿瘍、歯周病、虫歯などの有無を知ることもできます。
口臭があることは病気が潜んでいる可能性が高くなります。
キツイ口臭の原因に!歯周病など口腔内のトラブル
歯周病に感染している方の口腔内は歯周病独特でとても不快なニオイで、キャベツの腐ったニオイとも言われます。
歯周病は歯肉の血の巡りが悪くなり、出血が起こる病気で、この血がニオイの原因の一つになります。血はとても臭くなるものです。
また、悪玉菌歯周病菌がタンパク質やアミノ酸を食べて硫化化合物を排出したものが悪臭の原因になります。
歯周病の口臭は加齢臭の原因の1つでもあり、悪臭を相乗させていると思われます。
根尖性歯周炎や歯周膿瘍などは歯肉や骨が膿んでしまい歯肉から排膿していることがあり、化膿した臭いがすることがあります。
歯周病は細菌による感染症で、自分だけでなく、他人にも感染させてしまうことがあります。
人が他人の口臭を嫌うことは本能的な防衛反応でもあり、臭いと思うことは失礼なことではないと思います。
特に、5~6歳の子供は正直で口が臭い人に遠慮せずに「クサイ!」と言ってしまうことがあります。
これは本能的に危険であると思っているからだと思います。
銀歯も口臭の原因に?!
銀歯も臭いの原因になります。
銀歯の成分には銀が含まれているのですが、これが劣化して、4.5年以上経過したものは悪臭がしてきます。
銀歯と歯垢(プラーク)が化学反応を起こし、メチルメルカプタンという化学物質を発生させることがあるからです。
なんと、メチルメルカプタンは公害物質でもあります。
公害物質が口の中から臭っているという異常事態になってます。
口臭の改善と予防
1.歯垢や食べかすの除去
歯みがきがとても大事です。
ただし、歯みがきだけでは歯垢を除去できません。
口臭をなくすにはデンタルフロスの使用がとても有効です。
2.うがい薬(洗口剤)の使用
歯ブラシの補助として、洗口剤や次亜塩素酸水の使用も口臭の除去に役立ちます。
歯みがきやフロス、洗口液などを用いてケアをしても臭いが消えず、家族から口臭を指摘される方は要注意です。
何かしらの病気やトラブルが潜んでいる可能性があります。
一度、歯科医院の受診をおすすめします。
3.銀歯や金属の除去
口臭の原因だけでなく、金属アレルギーや体の不調の原因にもなっていることがあります。
銀歯を除去したい方は、一度歯科医にご相談ください。
口腔内以外の病気が原因の口臭
胃潰瘍、胃がんなど消化器系の病気などでも匂いがすることがあります。
糖尿病の方はアセトン臭がします。
アセトン臭とは、ケトン体が上昇して呼気中に放出されることで生じる独特の臭いです。リンゴの腐ったような甘酸っぱいにおいが特徴です。
アセトンはマニキュアの除光液にも含まれる成分ですので、女性の方はイメージしやすいかもしれません。
食事による口臭
ニンニク、ネギ、発酵食品、アルコールなどの摂取により一時的に起きるものです。
人と会う前には避けるなど、これらを摂取するタイミングを気をつければと思います。
食事による口臭はコントロールができます。
また、胃が空っぽの空腹時も臭いの原因になりますが、ニオイの強さとしてはそれほどではないと思います。
口の中のトラブルで起きている口臭が1番ニオイが強いと思われます。
口臭はとてもデリケートに扱われるので、万が一ニオイがしても指摘してくれる人はなかなかいません。
もし、あなたが周囲の人の口臭が気になったときは、歯医者に行くことをおすすめしてあげてください。
1番その人を傷つけることがないと思います。
[執筆者]
小松裕先生
医療法人社団龍生会
ティオデンタルオフィス理事長
松本歯科大学卒業
鶴見大学臨床研修医
2011年ティオデンタルオフィス開業
かみ合わせ治療、成人矯正、小児矯正、インプラント、レーザー治療、親知らず抜歯、口臭の改善、歯科金属アレルギーなど総合的歯科診療に取り組んでいます。
治療方法を総合的な考えるので、患者様に様々な治療の選択肢を提案できます。
ティオデンタルオフィス
配信: キレイ研究室
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