目黒蓮の魅力は「嫌われることを恐れていないこと」
――あるインタビューで、目黒さんの印象を「どこにでもいる人になりきれる力がより強くなった」っておっしゃっていたのが、すごく印象的でした。どういうときに感じましたか?
村瀬:2年ぶりにご一緒して、役者としての成長はあらゆる面で感じたんですけど、演技力・表現力、感情を形にする力・伝える力がレベルアップしているなと感じました。夏って時としてみんなから「ダメじゃん!」って怒られるような不甲斐ないキャラクターでもあると思うんですけど、そう見せるために、どんな歩き方をしたらいいか、声の出し方をすべきか、すごく考えて表現してくれています。それこそ、背中の曲がり方まで含めて。そういう人を表現するための技術が、シンプルにうまくなっているなと思いました。
――撮影中に成長を感じたこともありましたか?
村瀬:1話で池松さん演じる津野から「この7年のこと、ほんとに、なんも知らないんですね」って言われたときの表情や、大竹さんに「想像はしてください。今日一日だけでも」と言われたシーンでの受け方など、撮影をするごとにどんどん良くなっていきました。日に日に変わっていきましたね。たくさんの役者さんと対峙することを繰り返して、どんどん彼の“受ける”芝居の技術が上がっていきました。技術というよりも心というのが正しいかな、相手のお芝居を受けて、どう防ぐかみたいなところがどんどん進化していました。
――そうなんですね。
村瀬:あと、もう一つ、目黒さんがすごいなと感じたのは、夏というキャラクターを通して、「嫌われる」ことを恐れていないということです。夏って、時にすごく嫌われかねないキャラクターなんですね。それって、目黒くん自身のタレントとしての好感度も下がりかねないのに、目黒くんはそういうことを一切気にしないんです。
さっき賛否両論の話をしたように、夏のこの行動は視聴者から怒られてしまうだろうな、というシーンがあっても、目黒さんは一切気にしない。このシーンでは嫌われちゃうようなことを言うことが大事だっていう、僕らの狙いをちゃんとわかってくれているからだと思います。生方さんや僕、そして監督を信じてくれていて、どんなラストになるのかまで見据えた上で、嫌われてくれてたと感じています。その姿勢には感謝しかないです。
スタッフをメロメロにした“海ちゃん”の存在
――現場では海を演じた泉谷星奈さんがムードメーカーだったそうですね。印象的な交流はありますか?
村瀬:海ちゃんを見ているだけでみんな顔がほころんじゃうんです。大変な中でも、彼女を見ていると「海ちゃんが頑張ってセリフを覚えているのなら、自分たちも頑張ろう!」って思える。天使のような、癒やしの存在でした。それはキャストにとっても、スタッフにとっても。
彼女がクランクアップした時は、スタッフがわんわん泣いていましたよ。みんな彼女の頑張りが糧になっていたんでしょうね。
――目黒さんとはどんな交流をしていましたか?
村瀬:クランクアップ間際「あと6カットで夏くんと別れちゃう」と言って、終わるたびに「夏くん」と抱きついているのが印象的でしたね。もう本当に親子のようでした。それはもちろん、目黒さんだけじゃなくて、池松さんも大竹さんも有村さんも。彼女とのシーンが長かった人はみんなそんな気持ちになっていましたね。
配信: 女子SPA!