アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。
母・あーちゃんを連れて行った認知症の専門病院は、ワフウフさん姉妹にとって良い意味で想像以上でした。スタッフや先生の対応も申し分なく、姉妹で話し合った結果、今後はこの病院であーちゃんの認知症を診てもらうことに。あーちゃんも、早速待合室で話しかけられた他の患者さんと世間話をするなど、リラックスした様子でした。しかし、よく会話を聞いてみると、2人でただ同じ会話を繰り返しているだけ……。専門の病院がゆえ、話しかけてきたおばさんも認知症患者だと思われますが、あーちゃんよりもかなり若そうに見えたこともあり、ワフウフさんは複雑な気持ちになってしまうのでした。
時代についていけない…?
いろいろなことが重なったからなのか、いつもより疲れを感じていたワフウフさん。体のあちこちが悲鳴を上げているような気がして、マッサージへ行くことにしました。担当のお姉さんから「お仕事お休みですか?」と聞かれたので、母の病院に付き添った帰りだと伝えると、そこからお姉さんの介護話がスタート。「すごい大変なんです!」を連発し、ワフウフさんはひたすら聞き役に……。結局、まったくくつろげず。逆に疲労感が増したような気すらしてしまいました。
新しい病院の帰り、3人でランチに行ったお店は、タッチパネルで注文をするタイプで、あーちゃんは横で眺めながら「全然やり方がわからないわ!」と言っていました。
数分後、あーちゃんは注文をしたのか心配になったようで、タッチパネルで頼んだと伝えると……。
にこやかにこう言っていました。しかし……。
突然店員の呼び出しボタンを押すあーちゃん。
「注文してないから……」と不安そうに言うので、注文はタッチパネルから済ませたと再度説明。
納得したかと思いきや……。
今度は、通りかかった店員さんを呼び止めます。
また注文をしようとしていたので、改めてタッチパネルから注文は済んだと説明しますが……。
また同じ反応。タッチパネルが注文できるツールという理解がないので、何度言っても伝わらなそうです……。
不思議なことに、レジの支払いは小銭もちゃんと出せるあーちゃん。
そして、日にちの理解は難しくても、時間はわかります。
同じ数字を扱う行動も、理解の差が激し過ぎて、一体脳の中では何が起きているのか……。謎です。
新しい病院へ行った帰り、姉とあーちゃんと3人でランチに行きました。あまり選択肢がなく、チェーン店の定食屋さんに入ったところ、そのお店の注文はタッチパネル式でした。「こういうのが増えているの? 私、全然やり方がわからないわ!」と、注文する様子を見ていたあーちゃん。しかし、数分後……。「お料理頼んだ?」と聞いてきたので、タッチパネルで頼んだと伝えたところ「そうね! 私こんなのやり方がわからないわ」と納得した様子でした。
それから、今後のスケジュールを確認していたところ……あーちゃんが突然店員さんの呼び出しボタンを押したので、どうしたのか聞くと「注文してないから……」と不安そう。結局、何度も注文をしていないからと店員さんを呼び、そのたびにタッチパネルで注文したことを伝えるということを繰り返しました。タッチパネルで注文するということ自体、あーちゃんには理解が難しいのかもしれません。
タッチパネルの注文には大混乱していた様子のあーちゃんですが、不思議なことにレジでの支払いは問題なく小銭も出せます。「長谷川式認知症スケール」のテストでは数字系のテストがボロボロだったので、数字に関する理解が難しくなっていると思いきや、逆算や引き算はできなくてもレジでの支払いはできて、日にちがわからなくても時間はわかる……と、なんとも不思議な状態になっています。一体あーちゃんの脳は、どうなっているのか……? 認知症って謎が多すぎます。
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最近は、注文のミスや人手を減らすために、タッチパネルやスマホで注文をするお店も増えてきましたよね。メニューが写真で表示されるので、わかりやすいと思っていたのですが、そもそもタッチパネルやスマホが注文するツールとして認識していなければ、混乱の原因にもなるのですね……。とはいえ、いつもと違った場所で食事や買い物を楽しむのも、大切なのかもしれません。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者/ワフウフ
昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。
2023年4月、書籍「アルツフルデイズ 笑いと涙の認知症介護」発売。
配信: 介護カレンダー
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