女性ならいつかやってくる「閉経」。
日本人は平均約50歳、早いと40代後半で生理が終わり、その前後5年は「更年期」と呼ばれます(日本産婦人科学会による)。
脳みそが粘土のよう
更年期って、いったい何が起きるんでしょう?
女性ホルモンの低下で、ほてり、動悸、ホットフラッシュなどの症状がよく知られていますが、メンタルの不調が出る人もいるそうです。
漫画家の安彦麻理絵(あびこ・まりえ)さんもまさにそれ。50歳で閉経してうつ状態になってしまい、そこから回復するまでを描いた漫画『生理終了!と思ったら。更年期メンタル、私なりの付き合い方』(竹書房)を刊行しました。
「脳みそが粘土のよう」「洗濯物もたためない」「わざと風呂に何日も入らず、服も着替えず、腐乱死体みたいになっていた」と、ほとんどセルフネグレクトのような有様。最近流行り(?)の“風呂キャンセル界隈”には、メンタル不調が原因の人もいるそうですが、まさにそうなってしまったんですね。
このままじゃ生理終了どころか、「私」が終わってしまう――。そこで、自分を立て直すべく、あらゆる方法にチャレンジした過程が漫画に描かれています。更年期の人からは「わかるわかる」という共感の声が、もう少し若い読者からも「更年期ってこんななの!?と勉強になりました」という声が寄せられているそうです。
ボロ下着を全部捨てたら、脳内がすっきり
回復の方法――といっても、本当に身近で安上りなことばかりです。
たとえば「ヨレヨレになったパンツやブラジャーを捨てる」。
あるある!もう男性の前で脱ぐ機会もなくなって、気がつけばビロビロに伸びたブラやパンツが引き出しを占拠してたりしますよね。安彦さんは、これらを捨てたら、不思議と脳がすっきりクリアになったとか。
うつ状態になったら「まずは部屋を整理整頓しなさい。部屋の状態は、頭の中の状態と同じだから」というのは、精神科医の春日武彦先生の持論ですが、安彦さんも自然にそれを実践していたわけです。
その他にも、
・自宅で5分スクワット
・風呂をきれいに掃除する
・大豆、玄米などの「地味メシ」
・コスメ欲を取りもどして、メイクを楽しむ etc.
そのうち、なぜか無性に走りたくなってランニングを始めるなど、気がつけばすっかり心身が回復していたそうです。
もちろん婦人科や心療内科に駆け込む手もあるけれど、まずは自分の生活を立て直すことが大切なんですね。
また、漫画や安彦さんのXには、お料理のレシピや、おすすめのコスメ情報もあって、役に立ちます(安彦さんのお料理は、ほんとに美味しそう!)。
思えば、仕事・家事・育児に追われ続けて、自分を大事にすることを忘れていた――そんな40~50代女性に、人生の仕切り直し方を教えてくれます。
【安彦麻理絵さん プロフィール】
1969年、山形県生まれ。著書は『再婚一直線』『ババア★レッスン』『酒とナミダとマリエと赤子』など多数。42歳で第4子を出産した2男2女の母。@abikomarie
<文/女子SPA!編集部>
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