野口聡一さんが宇宙やロケットの仕組みを解説
続いて、ステージには7月28日に開かれたワークショップ「ペーパークラフトで学ぶ!宇宙へのはじめの一歩」に参加した子どもたちと、そこで講師を務めた宇宙飛行士の野口聡一さんが登壇しました。
野口さんのワークショップはH3ロケットのペーパークラフトづくりを通じて、宇宙やロケットの仕組みを学ぶことができるというもの。野口さん自らペーパークラフトを使い、ロケットの役割や構造について解説したことが紹介されました。
「JAXAの最新型ロケットのペーパークラフトなんですが、これが細かいパーツもけっこうあって大変なんです。全体像がわかっていないと作れないので、とてもいい勉強になったと思います」(野口さん)
ワークショップではグループごとに「理想の宇宙の暮らし」をテーマに出し合ったアイデアを発表。野口さんへの質問コーナーではほとんどの参加者から手が上がったそうで、参加者の子どもたちは積極的にワークショップに取り組んだようです。
この日、ステージに登壇した子どもからは「宇宙から帰ってきた時に地球に体が慣れるまでどのくらい時間がかかりますか?」という追加の質問もありました。
野口さんは、「最初はまっすぐ歩くのも大変ですが、バランス感覚は地球に戻って3日ぐらいで治ってきます。だいたい筋肉は1ヶ月ぐらい。骨に関しては、もしリハビリとか何もしないと元に戻るまで1年くらいかかります。最近は宇宙でもしっかり運動したり、栄養があるものを食べたりして、あまり筋肉や骨が弱くならないように工夫しています」と、質問に回答していました。
一番大事なのは“安心感”のある社会づくり
本イベントでは第2部としてハラミちゃん、野口さん、こどもアンバサダーに就任している俳優の村山輝星さんによるトークセッションも実施されました。
今回のワークショップで特に印象に残った出来事について、ハラミちゃんは「楽器がそもそも初めてのお子様とかもたくさんいらっしゃったんですけど、言い訳や弱音を全く吐かず真摯に楽譜と向き合って、自分のパートをひたすら練習している姿に強く胸を打たれて。この姿勢は見習わなきゃいけないなと思いました」とトーク。
「こどもスマイルムーブメント」アンバサダーに就任して2年目の野口さんは、「子ども時代は、自分がやってみたいことに躊躇なく挑戦できるとても幸せな時期。大人になると自然にいろんなことを考えてしまって動きにくくなっちゃうんですが、子どものうちは興味があることに突進していける。それは子どもの特権だと思います」と語っていました。
また、現在中学2年生の村山さんは「最近はこども食堂や経験の格差のような子どもの貧困に関するニュースもよく目にします。まずは子どもが安心して暮らせる社会の上にスマイルが生まれると思います」とコメント。
こうした話を受けて、最後にハラミちゃんは会場の人たちに向けて次のようにメッセージを送りました。
「自分の子どもの頃を思い出して、『あんなに一生懸命ピアノに取り組めたのはどうしてかな?』と考えたときに、一番大事なのは安心感だったと思うんです。やっぱり周りの人たちが笑顔でいると、お子様たちも安心していろんなチャレンジができる。私も含めて大人こそ笑顔を忘れてはいけないのかなって。笑顔が連鎖するような社会になれたらいいなと思います」(ハラミちゃん)
イベントの前後には、参加費無料の体験ブース「身近なものを使って楽器を作ろう!」「ペーパークラフトを使ってロケットを作ろう!」を会場に設置。こちらも会場を訪れた子どもたちが楽しく参加して学べる機会となっていました。
こどもスマイルムーブメント
https://kodomo-smile.metro.tokyo.lg.jp/
(取材・文:伊藤綾)
配信: マイナビ子育て
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