「かさね凛生館」は2024年8月1日に開設10年を迎えた72室の大型サービス付き高齢者向け住宅。
その全てで2人入居が可能というのが大きな特徴です。現在、19室が夫婦や兄弟姉妹などの2人暮らし。
今では、地域のケアマネジャーなどにも「2人暮らしなら凛生館」という認識がすっかり定着し、そうした案件があると真っ先に問い合わせが来るそうです。
また、入居時は自立・要介護のいずれも受け入れ可能ですので、「これまで一緒に生活してきたが、どちらかに介護が必要になった」などという場合でも揃って入居できます。
「これまでは、そうしたニーズに対応できる高齢者住宅は高額なところばかりでした。それに対して当館は、食費・水道光熱費別で2人で13万円前後と手ごろな価格で入居できます」と矢野智哉エリアマネジャー。
2人入居が可能な居室があっても「全体のうちのごく一部」という高齢者住宅が大半です。「狭き門」になりますから「本当は夫婦で同居したかったけれど、空きがなかったので別居せざるを得なかった」というご入居者がどうしても出てきます。
そして、入居後はそうしたご入居者と、希望通り2人暮らしができたご入居者との間に感情的なしこりが生まれてしまうこともありました。
しかし「かさね凛生館」では全員が同じ立場ですので、そうした心配もありません。
居室の広さは平均で33平米。バス・トイレ・キッチンはもちろん、ベランダもついており、一般的なマンションと同じ生活が可能です。
一般マンションと同じなのは建物外観もそう。あまりにも高齢者住宅らしくないので、見学などの来訪者が全く気付かずに、前を通り過ぎてしまうことも多いそうです。
自立の人が生活していることもあり、一般の高齢者住宅のような堅苦しいルールはありません。
例えばアクティビティ。毎日のラジオ体操はスタッフが主導するのではなく、ご入居者が司会進行や体操指導を行う「自主活動」の形で実施しています。
また、外出もスタッフに一声かければ自由に行えますし、外部からの来訪にも制限はありません。
「部屋が広いので、ご入居者のご家族が仕事などで来阪した際に泊まっていくこともあります。一般的な高齢者住宅では、ご家族や来客はゲストルームに泊まることが多いと思います。当館では、同じ部屋で過ごせますので、心ゆくまでお喋りなどを楽しめます」
食事は厨房依託形式ですので、一人ひとりの好みや身体の状況などに合わせた提供が可能です。2023年5月に委託先を切り替え「美味しくなった」との声が多く聞かれるようになりました。
特別メニューなどイベント色の強い食事も月に数回提供されており、利用者の大きな楽しみとなっています。
介護の三ツ星コンシェルジュ
配信: 介護の三ツ星コンシェルジュ
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