「肺がんが転移した後の余命」はどれくらい?転移しやすい部位も解説!【医師監修】

「肺がんが転移した後の余命」はどれくらい?転移しやすい部位も解説!【医師監修】

肺がんが転移しやすい部位

がんは発生した部位で増殖していき、徐々に周囲の組織まで浸潤していくことで、病状が進行していきます。また、がん細胞はほかの臓器に転移していきますが、転移の方法は以下の2つです。

血行性転移

リンパ性転移

血液やリンパの流れに沿って転移していくので、原発巣がどこの臓器かによって、転移しやすい部位が異なります。ここでは、肺がんの転移しやすい部位について解説します。

リンパ節

肺は全身から集まった血液のガス交換を行う場です。ガス交換が行われた血液は全身に回るので、がん細胞も一緒に全身を巡るためあらゆる臓器に転移する可能性があるでしょう。
また、肺は血行性に転移するだけではなく、リンパ系のネットワークも肺に張り巡らされているため、リンパ系を介して転移する可能性もあります。そのため、肺がんはリンパ節に転移しやすいがん種といえるでしょう。

がんが骨に転移すると、転移した箇所に痛みが発生します。背骨に転移した場合は、脊髄を圧迫する可能性があり、そうなると手足に麻痺が発生してしまうでしょう。

肺がんはさまざまながん種のなかでも、脳に転移しやすいがん種です。脳に転移すると、頭痛・吐き気・けいれん発作などが起こります。
脳に転移したときの症状はこれだけではありません。脳を包む膜に転移した場合は、意識状態が悪くなり日常生活を満足に営めなくなる可能性があります。

肝臓・副腎

肝臓に転移した場合は、がんが胆汁の通り道である胆管を圧迫することで、体中が黄色くなる黄疸という症状を呈します。副腎は循環動態を司るホルモンを出す臓器で、この副腎にがんが転移してしまうとホルモンの制御ができなくなってしまうでしょう。
循環は生命を維持するためには必須であり、副腎のホルモンを制御できなくなるということは、生命も危ぶまれます。

肺がんが転移している場合の治療法

肺がんはほかの臓器に転移している場合でも、ステージによっては手術が行われることもあります。
しかし、病状的に厳しい場合は手術ではなく化学療法や放射線療法などの選択肢がとられるでしょう。ここでは、転移がある肺がんに対してどのような治療法がとられるのかについて紹介します。

手術

転移している場合でもステージ3で止まっていれば、手術が行われるケースがあります。しかし、この場合の手術は根治治療ではなく、あくまで症状の進行を遅らせる目的です。

化学療法

化学療法は抗がん剤を使用した治療法で、抗がん剤を使ってがん細胞を死滅させる治療法です。使用できる抗がん剤の種類は、がん種・がんの進行具合・患者さんの健康状態によって異なります。

放射線療法

放射線療法の目的は、肺がんによる症状の抑制や疼痛の緩和です。化学療法と併用することで、よりよい治療効果を得られることもあります。

免疫療法

免疫療法は免疫チェックポイント阻害剤と呼ばれる薬を使用した治療法です。免疫チェックポイント阻害剤によって、身体の免疫による攻撃の対象をがん細胞に向けさせ、がん細胞の増殖を抑制します。化学療法と併用することで治療成績が向上する場合もあります。

分子標的療法

分子標的療法はがん細胞の遺伝子やタンパク質を標的とする治療法です。
肺がんの種類や遺伝子によって、分子標的薬を使い分けます。単独で治療される場合もありますが、化学療法と併用することも珍しくありません。

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