2型糖尿病の前兆や初期症状について
初期の2型糖尿病は自覚症状がほとんどなく、定期検診で初めて気づくこともあります。高血糖の症状には、のどの渇き・水をよく飲む・尿量が増える・疲れやすくなる・体重が減るなどが挙げられます。
血糖値がかなり高くならない限り症状がでないことが特徴で、症状に気づいたときにはすでに2型糖尿病を発症しているケースがほとんどです。
2型糖尿病は長い間、高血糖の状態が続く病気です。血液中にブドウ糖があふれると、全身の血管が傷ついたり詰まったりして、血液の流れが悪くなります。傷ついた血管はやがて硬くなって伸び縮みできなくなり、また破れやすくなります。(動脈硬化)
血管が傷つくことで、様々な合併症がでてきます。血管の太さやどこの血管が傷つくかによって、でてくる合併症は異なります。細い血管が傷つくと、目なら糖尿病網膜症、腎臓なら糖尿病性腎症、手足なら糖尿病性神経障害が起こります。また太い血管が詰まった場合は、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる重大な合併症につながります。そのほかの合併症として、足にトラブルが生じる糖尿病足病変があります。
きちんと血糖値をコントロールできれば、合併症は予防できることがわかっています。2型糖尿病の治療では、これらの合併症をおこさないまたは進行させないことが重要です。
2型糖尿病の検査・診断
2型糖尿病が疑われたら、空腹時血糖・HbA1c・75g経口ブドウ糖負荷試験の3つの検査で血糖値を確認します。また合併症の有無もあわせて確認していきます。
血液検査
①空腹時血糖
前の食事から約10時間経過した血液中の血糖値をみる検査です。
②HbA1c
過去1〜2ヵ月の血糖値の平均を調べる検査です。血糖値が高くなると、ブドウ糖が赤血球のヘモグロビンとくっつきます。ブドウ糖とヘモグロビンがくっついたものがHbA1cとよばれ、血糖値が高くなればなるほどHbA1cの値も高くなります。
③75g経口ブドウ糖負荷試験
10時間以上絶食した後に、75gのブドウ糖が入ったソーダ水を飲み、その後の血糖値の変化をみる検査です。
合併症を調べる検査
2型糖尿病の3大合併症として、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病網膜症があります。神経障害は、手足の神経に異常がでる病気であるため、手足の指に痛みやしびれがないか、アキレス腱反射はあるかを確認します。腎症は血液検査や尿検査で腎臓の機能を調べます。
網膜症は自覚症状がないまま進行することも多く、2型糖尿病の診断が確定した時点で眼科を受診し眼底検査を受けることが重要です。また網膜症の発症や進行を防ぐためには、定期的な眼科受診がポイントになります。
配信: Medical DOC