血管性認知症の進行速度
血管性認知症は脳卒中が再発することによって認知機能が悪化します。
脳卒中の再発がなくても、本人の状態によってわずかに認知機能が変化することはありますが、脳卒中が再発していくことで認知機能は段階的に悪化していきます。
血管性認知症の男女比
血管性認知症は男性に多く、男女比はおおよそ2:1といわれています。男性の方が脳卒中になりやすいことが影響していると考えられます。
血管性認知症の治療法
血管性認知症の治療は脳卒中の再発を予防することと、認知症の症状を緩和することが目的です。
薬物治療
脳卒中を予防するため、脳卒中の原因となる生活習慣病を治療するために薬物治療を行います。
認知症の精神的な症状に対しても薬物治療を行うことがあります。
生活習慣の改善
適切な食事は脳卒中の予防に重要です。塩分をおさえることで高血圧の予防となり、カロリー制限は糖尿病の予防、脂肪分を少なくすることは脂質異常症の予防に役立ちます。
バランスの取れた食事が生活習慣病の予防、脳卒中の予防に大切です。
運動習慣、禁煙も生活習慣病や脳卒中の予防に重要です。
リハビリテーション
リハビリテーションを行うことで認知機能の悪化を防ぎ、回復させることを目標にします。
血管性認知症は認知症症状以外にも運動の障害、感覚の障害、言語の障害があることが多く、これらのリハビリテーションも重要です。
血管性認知症の予防法
血管性認知症を予防するためには、脳卒中を予防することが必要です。
食生活を見直す
生活習慣病を予防して脳卒中のリスクを下げることが重要です。
塩分を減らして高血圧を予防する、食べすぎないようにして糖尿病を予防するようにしましょう。適切な体重を維持して肥満の防止に役立ちます。
運動習慣を持つ
運動する習慣があると生活習慣病を予防しやすくなります。ストレスの解消になることもあります。
禁煙する
喫煙は脳卒中のリスクを高くします。喫煙する人はすぐに禁煙するようにしましょう。
「血管性認知症」についてよくある質問
ここまで血管性認知症について紹介しました。ここでは「血管性認知症」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
血管性認知症はいずれ回復するのでしょうか?
上田 雅道 医師
脳卒中を発症して認知機能が障害を受けた場合は、リハビリテーションをすると認知機能が回復することがあります。しかし、回復が難しい場合も多く、血管性認知症は予防することが非常に重要です。
血管性認知症とアルツハイマー型認知症の違いについて教えてください。
上田 雅道 医師
アルツハイマー型認知症は症状がゆっくりと進行します。血管性認知症は脳卒中を起こして進行するため急に発症したり、再発するたびに段階的に症状が悪化します。また血管性認知症には脳卒中による運動障害や感覚障害、言語障害などの症状もあることが特徴的です。
編集部まとめ
血管性認知症は脳卒中によっておこるため、脳卒中を予防することがとても大切です。
高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の予防や治療はもちろん、運動習慣をもつ、禁煙をすることは、今すぐに始めるといいです。
「血管性認知症」と関連する病気
「血管性認知症」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
脳神経科の病気脳梗塞脳出血くも膜下出血
内科の病気高血圧糖尿病脂質異常症
血管性認知症は脳卒中によって発症するため、脳卒中の予防として生活習慣病の予防策を講じることがまずは大切です。
「血管性認知症」と関連する症状
「血管性認知症」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
もの忘れ
力が入らない
しびれ
話しにくい
これらのような脳卒中を疑うような症状が急に出現した際には、すぐに医療機関を受診することをお勧めします。
参考文献
都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応(厚生労働省)
認知症疾患診療ガイドライン2017(日本神経学会)
配信: Medical DOC
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