3、供述調書作成の際の注意点
ではここで、供述調書作成の際の注意点3つについてご紹介していきます。
(1)納得いくまで絶対にサインはしない
サインをした供述調書が裁判の結果に大きく影響します。
事実と異なる内容が記載されていた場合には、訂正されるまで絶対にサインをしないようにしてください。
捜査官から「しっかり確認してからサインをしてください」とは言われないかもしれません。
供述調書は裁判において重要な証拠として扱われ、裁判になってから「あれは間違いだった」と言っても覆すのが難しいケースも多いため、しっかりと内容に目を通し、事実と相違がないことを確認できてからサインするようにしましょう。
内容に納得がいかなければ、何度でも訂正を求めてください。
(2)黙秘も正当な権利
捜査官による質問に答えたくない場合には、黙秘を続けることも正当な権利です。
もっとも、有利な事実であれば事件直後から一貫して供述していた方が信用してもらえたり、逆に有利になると思って話したことが後に不利に働いてしまったりと、どの事実を話した方がいいのか・黙秘した方がいいのか、という判断はなかなか難しいこともあります。
裁判の経験のない被疑者が、身柄拘束されている非日常的な状況の中、後の裁判も見据えて冷静に検討するのは困難でしょう。
そのため、刑事裁判について知識・経験を有し、資料や被疑者の話から事件を俯瞰して考えることのできる弁護人としっかり相談した上で、取調べに臨むことが非常に大事です。
判断が付かない場合には、弁護人に相談できるまで黙っておく、というのも一つの手です。
(3)絶対に嘘はつかない
繰り返しになりますが、捜査官による質問には絶対に嘘をつかないようにしましょう。
たとえ有利に裁判を進めていたとしても、その嘘が発覚したことで、裁判結果が大きく変わってしまうことも容易に考えられます。
4、供述調書の訂正は可能?
供述調書の内容は、サインをする前であれば訂正は可能です。
サインをしてしまうと、調書の内容を供述したことを認めることになります。
少しでも自分が供述していない・ニュアンスが違っていると感じた場合には、訂正してもらった上でサインするようにしましょう。
配信: LEGAL MALL