直接的な治療は一定の期間で終了しても、「歯周病治療が終わることとイコールではありません」と語るのは佐藤歯科クリニックの佐藤先生。歯周病はきわめて再発率の高い病気なのだそうです。詳しい理由を教えてもらいました。
※この記事はMedical DOCにて【歯周病治療って何をするの? 治療の流れや費用・治療期間を歯科医が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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監修歯科医師:
佐藤 正敬(佐藤歯科クリニック)
東京歯科大学卒業。同大学大学院歯周病学講座修了。東京歯科大学水道橋病院保存科、都内開業医での勤務を経て、佐藤歯科クリニックを継承。長年にわたり地域に密着した歯科医院として、患者さんとの対話や心くばりを何よりも大切にした診療を心がけている。東京歯科大学歯周病学講座非常勤講師。日本歯周病学会認定医。歯学博士。
編集部
歯周病治療にはどのぐらいの期間がかかるのでしょうか?
佐藤先生
歯周ポケットが浅く、比較的軽度の歯周病であれば1~3か月程度で歯周基本治療は終了します。一方で、歯周ポケットが深い中等度以上のケースでは、治療に半年以上の期間がかかることもあります。とくに、歯周外科治療が必要な重度のケースでは年単位に及ぶことも少なくありません。
編集部
歯周病は治療が終わった後も、定期的な通院が必要なのはなぜでしょうか?
佐藤先生
歯周病はその原因となる細菌がお口の中に常に存在することから、きわめて再発率の高い病気といえるからです。とくに、中等度~重度の歯周病は仮に治療をしても完治は難しいため、一連の治療が終了した後も、定期的な通院で病状の安定、再発予防を図る必要があります。
編集部
つまり、歯周病は治療後も生涯を通じて歯医者さんで管理してもらう必要があるのですね。
佐藤先生
その通りです。歯周基本治療や歯周外科治療は一定の期間で終了しますが、それは歯周病治療が終わることとイコールではありません。歯周病は一度かかると、一生を通じて歯科医院での定期的なメインテナンスが必要な病気であることはしっかり認識しておきましょう。
編集部
治療後は、どのぐらいの頻度で通院したらよいのでしょうか?
佐藤先生
こちらも最初の歯周病の程度によって異なります。軽度の歯周病で予後が良好なケースであれば3~6か月に1回の通院ペースになります。一方で中等度~重度のケースで再び進行や悪化が心配されるケースでは、治療後しばらくは1か月ごとの通院が必要です。ただ、そこから病状に応じて3か月、6か月とスパンを長くしていくこともあります。
配信: Medical DOC
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