三木道三「一生一緒に〜」の“女編”が大ヒット…RSP元メンバーが今だから話せる“当時の本音”

三木道三「一生一緒に〜」の“女編”が大ヒット…RSP元メンバーが今だから話せる“当時の本音”

「完成された理解者」解散後にわかった相方の想い


「音楽としては不完全燃焼で終わってしまいましたが、最後に救われたというか、浄化できたことがあるんです。解散後、Aiちゃんはすぐにソロ活動を始めて、私とのことを書いた『Y字道(わかれみち)』という曲を出しました。歌の中で私のことを“完成された理解者”と表現してくれて。私がそうであろうとしていたこと、彼女のいちばんの理解者であろうとしていたことを、わかってくれていた」

 RSPの中で自分の軸を見つけられず、長く苦しんだSakiさん。しかし苦楽を共にした相方からのメッセージに、「人を理解して支えていくのも、私のひとつの特質だった」と気付かされたといいます。そのことが、解散後の生き方に影響を与えました。

RSP解散後、大阪のジャズレストランでのバイト風景


「解散後、私は“RSPのSaki”であることを忘れたかったし、みんなにも忘れてほしかった。フラットな自分に戻りたくて、どこにも所属せず表に出るのを一度やめようと決めました。

来るべき時のために頑張ろう。そう思って大阪に移り、ジャズレストランでバイトをしながらライブハウスにも遊びに行くうちに、自分でもジャズライブをするようになっていきました。そんなとき、ボイストレーニングの講師にならないかと声がかかりました。一度は断ったんですが、講師になればプロを目指す子の力になれて、“RSP時代に自分の周りにいてほしかった大人”になれるんじゃないかと考えたんです」

 精神的に追い詰められていたとき、信頼できて何でも喋れる大人を自身が見つけられていたら、違っていたのではないか。バラバラに集まったグループだからこそ、メンバーの悩みをフラットに受け止めてくれて、対処してくれる役割を担った大人が必要だったのではないか。つらさを経験した身だからこそ、ボイトレで若い才能を支えられると感じたSakiさんは、講師としての道を歩み始めます。

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