三木道三「一生一緒に〜」の“女編”が大ヒット…RSP元メンバーが今だから話せる“当時の本音”

三木道三「一生一緒に〜」の“女編”が大ヒット…RSP元メンバーが今だから話せる“当時の本音”

コロナ禍でライブ配信をスタート

「講師として教えるうちに、ボイトレの奥深さに気付いたんです。そこで、言語聴覚士や心理カウンセラーなど、専門家の方に話を聞いたり、解剖学などの本を読み漁ったりしました。心・頭・体は別々のようでいて、じつは全部つながっている。そして、つながっていると認識することが、生きる上で大事になる。それをもっとボイストレーニングに活かせないかと思いました。

そこで、“ボイスフィットネス”と名付けて一般向けのフィットネスとしてやりたい! って思うようになって。それで稼いだお金で、40歳の誕生日までに名刺代わりになるアルバム作ろうと考えました」

 ところが新しい夢を見つけ動き出した矢先に、新型コロナウイルスの感染拡大が訪れます。思うように活動できなくなり、音楽業界の先輩の誘いで始めたのがライブ配信でした。歌ったり雑談したり、リスナーとの交流に楽しみを見出したSakiさんでしたが、当初は「RSPのSaki」であることを公表せずにいたそうです。

「何者でもない、ありのままのSakiとしてやりたかったんです。RSPのことを話したり、当時の楽曲を歌ったりも、めったにしませんでした。その姿を見て離れていった人もいたけど、配信を続けるうちにありのままの私を応援してくれる人が増えていって。

そこで自信がついて、『もう話してもいいかな』と思えるようになりました。やっぱり自分を作ってきた経歴のひとつで、過去も私自身の一部だから。RSPがあったから今の自分がいるって、今は心の底から思えています」

ライブ配信の力で思い出を乗り越える


 ライバーとして着実にファンをつけたSakiさん。クラウドファンディングで資金を募り、2021年12月18日、40歳の誕生日に念願のミニアルバム『Hourglass』をリリースしました。

「どこかに所属したり、スポンサーをつけて誰かにお金を出してもらうと自由がない。メジャー時代、散々何かの縛りの中で生きてきたので、それをいったん全部取っ払いたかった。自由な自分から、何が出てくるのかを知りたくて。40歳の誕生日に何とか間に合いました。クラファンが成功したのは、ライブ配信の力が大きいですね。ソロの、ありのままの私を応援してくれるリスナーさんたちに自信をもらい、自己肯定感もすごく高まりました。昔では想像できないくらい、今は『誰かに何かを言われても平気』という自信が生まれたかな」

 ライバーマネジメント事務所の「HOV LIVE」に所属し、2022年8月には活動拠点を再び東京へ。そこにはどのような心境の変化があったのでしょうか。

「RSP時代に対してコンプレックスやトラウマがあったように、東京に対しても同じ思いがあって。自分の中では、“失敗した場所”のような気持ちを持っていました。それを、もう一度塗り直したくなったんです。今の私ならどこに行っても大丈夫だって」

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