「骨髄炎」を発症しやすい人の特徴をご存知ですか? 原因・症状を医師が解説

「骨髄炎」を発症しやすい人の特徴をご存知ですか? 原因・症状を医師が解説

骨髄炎の前兆や初期症状について

骨髄炎は骨の感染症であり、その前兆や初期症状は比較的緩やかに現れます。
最も一般的な初期症状は、感染部位の痛みと腫れです。この痛みは持続的で、徐々に強くなる傾向があり、特に夜間や安静時に悪化することがあります。痛みとともに、感染部位の皮膚が赤くなったり、熱を持ったりすることもあるので皮膚の状態に注意が必要です。

全身症状として、微熱や倦怠感が現れることがあります。これらの症状は、身体が感染と戦っている証拠です。食欲不振や吐き気などの消化器症状が現れることもあります。

また、感染部位によっては、関節の動きが制限されたり、違和感を感じたりします。小児の場合、症状がより顕著に現れることがあり、高熱や激しい痛みを訴えることが多いです。感染部位を動かすことを嫌がったり、歩行に異常が見られたりすることもあります。

慢性骨髄炎の場合、症状はより軽微で長期にわたることがあります。感染部位の痛みや膿の排出が主な症状です。これらの症状は他の疾患でも現れる可能性があるため、早期に医療機関を受診し、適切な診断を受けるのが重要です。

骨髄炎の検査・診断

骨髄炎の検査・診断は、患者の症状、身体所見、血液検査、画像診断、そして必要に応じて生検を組み合わせて行われます。

まず、医師は患者の病歴を詳しく聴取し、発熱、疼痛、腫脹などの症状の有無や経過を聴取します。
次に、身体診察では罹患部位の触診や、発赤、熱感、腫脹の程度を評価することが必要です。これらの評価だけでも骨髄炎が疑われる可能性もあります。例えば、原因不明の痛みや長時間の疲れがあるなどの症状は骨髄炎が疑われます。

さらに詳しく検査する際には、血液検査や画像診断が必要です。
血液検査では、炎症の指標である白血球数、C反応性蛋白(CRP)、赤血球沈降速度(ESR)の上昇が見られるかを確認します。これらの値が高ければ、体内のどこかで炎症が起きていることを示唆しますが、骨髄炎に特異的ではありません。また、血液培養も行い、原因菌の特定を試みます。

画像診断は骨の状態をみるのに重要です。X線検査は初期段階では変化が現れづらいですが、経過とともに骨の破壊や新生骨の形成が観察されます。MRIやCT検査では、感染部位の特定や、周囲軟部組織の変化を抽出するのに効果的です。また、骨シンチグラフィーという検査を用いる場合もあります。骨シンチグラフィーは感染部位の異常を検出するのに役立ちますが、成長過程の骨では異常を検出しづらい特徴があります。

確定診断には骨生検が最も信頼性が高いです。得られた組織の病理学的検査や培養検査により、炎症の程度や原因菌を特定することができます。しかし、侵襲的な手技であるため、他の検査結果と臨床所見を総合的に判断し、必要性を慎重に検討します。

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