骨髄炎の治療
骨髄炎の治療は、感染の重症度や原因菌によって異なりますが、一般的に長期間の抗生物質投与が中心です。通常、初期段階では静脈内投与による強力な抗生物質治療が行われ、症状の改善に伴い経口投与に切り替えられます。原因菌の中には抗生物質が効きづらい菌もあるため、治療が円滑に進まない可能性もあります。
治療期間は数週間から数ヶ月に及ぶことがあり、完全な治癒を確認するまで継続が必要です。
重症例や慢性化した場合には、外科的処置が必要となることもあります。これには感染組織の除去や、場合によっては骨の一部切除が含まれます。
また、高気圧酸素治療が実施される場合もあります。この治療は病巣部の低酸素状態を改善し、殺菌するのが目的です。白血球や抗菌薬による殺菌作用の増強や、組織の治癒や骨形成の促進に働きます。
骨髄炎になりやすい人・予防の方法
骨髄炎になりやすい人は、免疫機能が弱っている方、糖尿病患者、喫煙者、高齢者、そして外傷や手術後の患者などです。
また、急性骨髄炎は小児で発症しやすく、肺炎などの炎症がきっかけで菌が入り込みやすいです。一方、慢性骨髄炎は皮膚にできた傷口から細菌が入り、発生することが多いです。
予防には、良好な全身状態の維持が重要になります。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、免疫力を高めることが大切です。また、傷や切り傷、特に深い傷を負った場合は、速やかに適切な処置を行い、傷口を清潔に保つことが重要です。糖尿病患者は足潰瘍を発症しやすいため、血糖値のコントロールを徹底し、足のケアに特に注意を払う必要があります。
さらに、医療処置や手術を受ける際は、医療従事者の指示に従い、術後のケアを適切に行うことが骨髄炎の予防につながります。日常生活においても、衛生管理を徹底し、手洗いやうがいを習慣化することで、細菌感染のリスクを低減できます。これらの予防策を日々実践するのが大切です。
関連する病気
急性骨髄炎
慢性骨髄炎
化膿性骨髄炎
参考文献
骨髄炎
骨髄炎治療における抗菌薬内服スイッチの有用性の検討
骨腫瘍と鑑別を要した骨髄炎の2例
若年成人の急性大腿骨骨髄炎の一例
配信: Medical DOC