「先天性ミオパチー」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

「先天性ミオパチー」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

監修医師:
勝木 将人(医師)

2016年東北大学卒業 / 現在は諏訪日赤に脳外科医、頭痛外来で勤務。 / 専門は頭痛、データサイエンス、AI.

先天性ミオパチーの概要

先天性ミオパチーは、生まれつき筋肉の形態に問題がある遺伝性疾患です。この病気は、生後間もなくや幼児期から症状が現れ始め、筋力の低下や運動発達の遅れが特徴的です。また、大人になって症状を自覚するタイプでは、力の入りにくさや疲れやすさなどの症状が現れます。また、呼吸や心臓に関する問題を抱えていることも珍しくないです。

先天性ミオパチーには様々な病型があり、それぞれ原因となる遺伝子や症状の現れ方が異なります。例えば、セントラルコア病やネマリンミオパチーなどが代表的な病型です。診断には、血液検査や筋電図検査などが用いられ、診断を確定するために筋生検や遺伝子検査が重要になります。

現在のところ完治させる治療法はありませんが、リハビリテーションや装具、呼吸サポートなどの対症療法により、生活の質を向上させることができます。早期診断と適切な管理が重要であり、専門医による継続的なケアが必要です。また、患者さんやご家族への心理的サポートも大切な要素となっています。

先天性ミオパチーの原因

先天性ミオパチーは、生まれつきの筋肉の病気で、赤ちゃんや幼児期から症状が現れる珍しい遺伝性疾患です。この病気の主な原因は、筋肉を作ったり動かしたりするのに重要な遺伝子の変異にあります。
具体的には、筋肉繊維を作る蛋白質や、筋肉の収縮を制御する蛋白質などに問題が生じます。例えば、アクチンやミオシンといった筋肉の動きに不可欠な蛋白質が正常に作られないことがあります。また、筋肉細胞内のカルシウムの調節に関わる蛋白質の異常も原因の一つです。

これらの遺伝子変異は、両親から受け継ぐ場合もありますが、新たに突然変異が発生することもあります。そのため、家族歴がなくても先天性ミオパチーを発症する可能性があります。

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