「先天性ミオパチー」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

「先天性ミオパチー」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

先天性ミオパチーの前兆や初期症状について

先天性ミオパチーの一般的な初期症状は、筋力の低下です。赤ちゃんがミルクを飲む力が弱かったり、首が座るのが遅れたりすることがあります。また、運動発達の遅れも顕著な特徴で、寝返りや這い這いなどの動作が同年齢の子どもに比べて遅れることがあります。

さらに、呼吸の問題も重要な症状の一つです。はっきりと呼吸障害が見られることは少なく、夜中の息苦しさで睡眠時間を取っていても眠いなどの症状として現れます。

骨格の異常も先天性ミオパチーの特徴的な症状です。脊柱側弯症や関節の拘縮が早期から見られることがあり、これらは成長とともに進行する可能性があります。

これらの症状は徐々に現れることが多く、親や医療従事者が気づきにくいこともあります。そのため、定期的な健康診断や発達チェックが重要です。早期発見により、適切な治療やリハビリテーションを開始し、生活の質を向上させることができます。

先天性ミオパチーの検査・診断

先天性ミオパチーは、生まれつきの筋肉の病気で、早期発見と適切な治療が重要です。遺伝性疾患であるため、医師は患者の症状や家族歴を詳しく聞き取ります。筋力低下や運動発達の遅れなどが主な症状ですが、個人差が大きいため、慎重な観察が必要です。同時に身体診察を行い、筋力や反射、姿勢などを確認します。

より詳しく検査するために、その他の検査も併せて必要です。血液検査では、筋肉の損傷を示す血清クレアチンキナーゼの値を調べ、病気の進行度を推測します。また、遺伝子検査も重要で、遺伝子変異を特定することが正確な診断につながります。さらに、MRIやCT検査などの画像診断で筋肉の状態や異常を観察することも有効です。筋電図検査では筋肉の電気的活動を調べ、神経と筋肉の関係を評価します。

最終的な確定診断には、筋生検で小さな筋肉組織を採取して顕微鏡で観察し、筋線維の異常を確認します。これらの検査で総合的に判断し、医師が診断を下します。

早期診断が適切な治療や管理につながるため、疑わしい症状がある場合は速やかに医療機関を受診することが大切です。

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