浸潤性小葉がんの主な治療法
浸潤性小葉がんは特殊型乳がんですが、現段階では通常の乳管がんと同様の治療が行われます。ホルモン受容体陽性、HER2陰性のサブタイプが多いといわれています。
手術
乳腺外科に入院し、手術を行います。乳がんの手術は大きく分けて、乳房部分切除術と乳房全切除術があります。乳房部分切除術の場合は4日程度、乳房全切除術は1週間程度の入院期間です。浸潤性小葉がんは、がんが散らばって多発するという特徴があり、乳房全切除術となることが多いです。
放射線治療
放射線治療は放射線治療科に通院して行います。乳房部分切除術を行った場合、残っている乳房に放射線照射が必要となります。乳房を全摘出した場合でも、リンパ節転移陽性の場合に放射線治療が必要となることがあります。平日に連続して4~6週間通院します。
薬物療法
乳がんの薬物療法は内分泌療法、化学療法、分子標的薬などがあります。乳がんのサブタイプや進行度に合わせて、治療を選択します。薬物療法は再発リスクを下げる、手術前にしこりを小さくする、転移している場合に延命や症状緩和の目的で行われます。どの治療も乳腺科に通院して行います。
「浸潤性小葉がん」についてよくある質問
ここでは「浸潤性小葉がん」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
浸潤性小葉がんはマンモグラフィーで発見することができるのでしょうか?
山田 美紀 医師
マンモグラフィーで発見することは可能です。しかし、浸潤性小葉がんは早期だと腫瘤(しこり)としてわかりづらく、発見が遅れることがあります。超音波検査を併せて行うと早期発見の助けになる可能性があります。
編集部まとめ
浸潤性小葉がんの特徴についてご紹介しました。浸潤性小葉がんは予後が比較的良いとされています。一方で、通常の乳管がんと比べて、遅くに再発する例がやや多いです。浸潤性小葉がんは通常の乳管がんと比べて症状が分かりにくく、マンモグラフィーやPET-CT等の検査で発見しづらいことがあります。ややしこりが大きくなった状態で発見されることが多いですが、定期的な乳がん検診が大切です。
「浸潤性小葉がん」と関連する病気
「浸潤性小葉がん」と関連する病気は1個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
婦人科の病気
卵巣がん(遺伝性乳がん卵巣がん症候群の場合)
遺伝性乳がん卵巣がん症候群の場合は、乳がんになるリスクが高くなります。この場合、乳房造影MRIも併せた検診や予防的乳房切除を行います。
「浸潤性小葉がん」と関連する症状
「浸潤性小葉がん」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
乳房のしこり
乳房の左右差
乳房の変形
浸潤性小葉がんではこれらの症状を自覚することがあります。しこりが散らばって多発する特徴があるため、初期の段階では症状に気が付きにくいです。
参考文献
乳癌診療ガイドライン2022年版(日本乳癌学会)
患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版(日本乳癌学会)
配信: Medical DOC
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