秋の味覚代表「サンマ」を解説
秋の訪れとともに、食べたくなるのが秋刀魚(サンマ)。「秋刀魚」の漢字は、文字通り秋に旬を迎えること、細身で銀色に輝く姿が刀を連想させることが由来とか。かつて江戸時代には、サンマが市場に並ぶと庶民がお祭り騒ぎをして喜んだことから“魚へんに祭”と書く字が使われていたとも言われています。ここ数年は価格が上昇していますが、昔も今も秋の味覚として人気です。そんなサンマの栄養面をクローズアップしたいと思います。
脂がのったサンマのほうが栄養価が高いの?
サンマは、サバやイワシと同じ背が青い青魚であり、常に泳ぎ続けるために必要な酸素を運ぶ血液中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンを多く含む赤身魚でもあります。つまり、良質なたんぱく質と脂質の両方を摂ることができます。
サンマ1尾(頭・内臓・骨・ひれ等を除いた正味重量100g)に、たんぱく質16.3gが含まれ、男性15~64歳の食事摂取基準の推奨量(1日65g)の約1/4、女性18歳以上の推奨量(1日50g)の約1/3に相当します(※1)
また、脂がのったサンマほど、おいしいイメージがあり、特に脂が多いのは背中とお腹まわり、内臓の内側です。その脂肪に多く含まれているのが、体に良いとされるオメガ3系脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)。血液をサラサラにして血栓を防ぐ働きや、脳を活性化して記憶力を維持する働きなどの機能性が注目されています。サンマにはアジ、サバ、イワシよりも豊富なEPAとDHAが含まれています。
(※1)サンマの目安量:奥嶋佐知子監修『食品の栄養とカロリー事典 第3版』女子栄養出版部、たんぱく質の推奨量:『日本人の食事摂取基準(2020年版)』より
サンマと他の青魚のEPA・DHA比較
配信: LASISA