「原田病」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

「原田病」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

原田病の前兆や初期症状について

原田病の自覚症状は髄膜炎の症状からはじまり、徐々に眼や内耳の症状が現れることが多いです。

前兆

原田病の前兆は主に髄膜炎の症状で、頭痛や全身の倦怠感、微熱、頭皮のピリピリ感などです。
これらの症状は眼の症状よりも先に見られることが多く、風邪をひいたときの症状にも似ています。

初期症状

初期症状では、髄膜炎の症状に加えて、眼や耳の症状が現われます。
眼の症状で見られるのは眼球の充血やかすみ、歪視、視力低下などです。
初期の段階では、症状の左右差や網膜剥離がないケースもあります。
内耳に炎症が起こることにより、感音性難聴や耳鳴り、めまいなども見られます。

原田病の検査・診断

原田病が疑われるケースでは、一般的な眼科検査や血液検査のほかに、次の検査をおこないます。
原田病の診断は眼や内耳、髄液の検査などによって、全身の症状を確認して総合的に判断します。

蛍光眼底造影

蛍光眼底造影は、腕の静脈にフルオレセインやインドシアニングリーンという蛍光色素を含んだ造影剤を注射してから、眼の奥の血管や網膜などを眼底カメラで撮影する検査です。
通常の眼底検査では読み取れない新生血管や血液が途絶えた部分、血液がもれた部分などがわかります。
蛍光眼底造影を使用すると、網膜剥離が起きている部位で蛍光色素の貯留が認められます。
両眼に蛍光色素の漏出点が多数見られるケースでも、原田病の診断材料になります。

光干渉断層撮影

光干渉断層撮影は、点眼薬で瞳孔を広げた後に、赤外線を眼に照射して網膜などの断面像を撮る検査です。
網膜の状態やぶどう膜の炎症の程度を観察するために使用されます。
原田病で光干渉断層撮影をおこなうと、​​漿液性(水分がたまる)の網膜剥離や脈絡膜の肥厚が認められる場面が多く見られます。

聴覚検査

聴力検査のほか、めまいの状態を調べる赤外線眼振検査などによって、内耳に異常がないか調べます。
聴覚の検査は、ほかのぶどう膜炎と原田病を区別するために大切な検査です。

髄液検査

髄液検査は、背中から針を指して脊髄のまわりから脳脊髄液を採取し、含まれているタンパク質や糖、細胞を調べる検査です。
原田病では髄膜に炎症が起こりやすいため、脳脊髄液に免疫細胞が増えていないか調べます。

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