「結婚したら禁煙する」約束を守らず、子どもが生まれても喫煙する夫…妻は「婚姻無効にしたい」

「結婚したら禁煙する」約束を守らず、子どもが生まれても喫煙する夫…妻は「婚姻無効にしたい」

⚫︎慰謝料請求ができるポイントは?

——女性は夫に対して、別居した場合の婚姻費用や、慰謝料を請求することは可能でしょうか。

夫の喫煙に耐えられず別居をされた場合、婚姻費用の請求をすることはできます。夫からすると「妻の都合で勝手に出て行ったのだから婚姻費用を払う必要はない」と言ってくる可能性はありますが、婚姻関係が解消していない以上は婚姻費用の請求は認められます。

慰謝料は、禁煙した約束を守ってくれなかったことによる精神的苦痛、受動喫煙による精神的・身体的苦痛を内容にすることになるかと思います。

単に「約束を守ってくれなかった」「受動喫煙に晒された」というだけでは足りず、それがどのように相談者様の具体的な「権利や法的利益を侵害したか」を証明する必要があります。

そこでは、やはり先ほどの「婚姻関係を継続し難い重大な事由」の事情と同様に婚前にどういう約束があったのか、結婚生活における夫の喫煙状況などがポイントになってきます。

相談者の方には厳しいことを申し上げますが、禁煙してくれないのであれば結婚をなかったことにしたいほど禁煙が重要なのであれば、禁煙したのを確認してから婚姻すべきであった、ということです。

【取材協力弁護士】
小田 紗織(おだ・さおり)弁護士
法科大学院1期生。「こんな弁護士がいてもいい」というスローガンのもと、気さくで身近な弁護士を目指し活躍中。
事務所名:神戸マリン綜合法律事務所
事務所URL:http://www.kobemarin.com/

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「専門家を、もっと身近に」を掲げる弁護士ドットコムのニュースメディア。時事的な問題の報道のほか、男女トラブル、離婚、仕事、暮らしのトラブルについてわかりやすい弁護士による解説を掲載しています。
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