武具と兜と生き物と
こんにちは、久万高原町在住ライターの彩乃です!
今回は、久万高原町産業文化会館にて開催された、特別講演会「日本の甲冑〜武具にみる生き物たち〜」の様子をお届けいたします!
今回の特別講演会では、武士が戦闘時に身につけた武具「甲冑(かっちゅう)」について、「愛媛で甲冑と言えばこの方!」という友澤明さんにご講演いただきました。
久万高原町産業文化会館はこんなところ。
甲冑の専門家 友澤明さん。
友澤さんは現在、「日本甲冑武具研究保存会 評議員」「西条市・松山市文化財保護審議会委員」「愛媛大学非常勤講師」という3つの肩書を持ちながら活躍されています。
友澤さんの特別講演会に期待を膨らます参加者。
30人以上の参加者で研修室は満席。
今回の特別講演会の目玉は、甲冑の中でも特に多様性あふれる「兜」。
武士たちが考案した「変わり兜」には、トンボやウサギ、サル、貝など様々な生き物をモチーフにした斬新なデザインが数多くありました!
この斬新なデザインは、「個」を大切にする日本だったからこそ、自分の頭角を現すために独自の発展をしてきたそうです。
確かに、これだけ斬新なデザインであれば、他者と被ることはなさそうですね。
そんな兜をはじめ、武具には、トンボがモチーフとして登場することが多いと言います。
トンボは少なくとも江戸時代から、後退しない縁起の良い虫「勝ち虫」として、武士に愛されてきたそうです。
以下いくつかトンボモチーフの武具を見てみましょう!
トンボモチーフの変わり兜①今にも兜とともに飛んでいきそう。
トンボモチーフの変わり兜②こんなトンボ縦バージョンもあります。
兜以外にも、トンボモチーフは活用されていたようです。
様々な素材でできている、変わり兜
変わり兜には、トンボ以外にも様々な生き物がモチーフの、想像を超えるデザインのものがありました!
これら変わり兜には、なんと「梁懸け(はりかけ)」とよばれる紙を張り重ねた下地に漆を塗り重ねて制作したものや、実際の動物の皮を使用しているものもあるようです。
こんな精巧なものが、紙からつくられているなんて驚きですね!
お猿さんの変わり兜! 実際のお猿さんの毛皮が使われていたよう。
こんなものを被った人が出てきたら、びっくりしてしまいますね。
こちらは茄子の変わり兜。
植物モチーフのものも数多くあるみたいです。
サザエの変わり兜。
一枚板の金属からできているそう。
すごい技術です。
そしてイベント最後の質疑応答タイムでは、最前列に座るお子さんから「皮や紙でできた兜をかぶっている人は、戦いで死んでしまわないのですか?」と質問が。
講師の友澤さんは「皮や紙でできた兜は、見せかけのためだけのものも多かった」と答えます。
友澤さんは加えて、「これだけ状態良くきれいに兜が残っているということは、戦いに使ったはずはない」と言います。
実際、武士たちは戦いの勝利を願い、兜を神社に奉納をすることもあったようです。
これだけ発想豊かで見るだけでも楽しい兜なら、神様も毎度奉納の時が楽しみだったかもしれませんね。
こちらは伊勢海老の変わり兜。
松山市の東雲神社に保管されています。
雛頭巾形兜。
被ると目が4つあるように見えるという。
こちらは西条市の伊曽乃神社に保管されているそうです。
当日会場には、講師の友澤さんの個人コレクションがずらり。
子どもも大人も大盛り上がりでした。
さて、今回は久万高原町産業文化会館で開催された、特別講演会「日本の甲冑〜武具にみる生き物たち〜」についてご紹介しました。
今回のイベントは、面河山岳博物館で2024年7月20日~11月24日まで開催中の特別展「真・カブトムシ」関連イベントでもあります。
今回の記事では、スライド上での変わり兜のご紹介になってしまいましたが、2024年11月24日までに面河山岳博物館へ訪れると、変わり兜の実物も見れてしまうそうですよ!
大迫力の変わり兜に、子どもも大人も大興奮間違いなし!
普段はなかなか見ることのできない、変わり兜を一目見に、面河山岳博物館へぜひ訪れてみてくださいね。
■ 特別講演会「日本の甲冑〜武具にみる生き物たち〜」
開催日/2024年9月16日 13:30~15:00
開催場所/久万高原町産業文化会館研修室
開催住所/愛媛県久万高原町久万188番地
駐車場/あり 大型3台・普通70台・障害者用2台
料金/100円
問い合わせ先/面河山岳博物館
電話番号/0892-58-2130
配信: イマナニ
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