白斑の治療
白斑の治療法は、白斑の症状や広がり、進行の程度にあわせて選択されます。
外用薬
白斑の治療でよく使われるのが、外用薬です。中でも、有効性が高いとされるステロイド外用薬や活性型ビタミンD3外用薬、タクロリムス軟膏がよく使われます。ステロイド外用薬は、体表面積の10~20%程度の白斑に対して使用されます。
ナローバンドUVB照射療法
ナローバンドUVB照射療法とは、幅広い波長がある紫外線の中でも、治療に有効な短い波長の紫外線を活用した治療法です。照射した部位の色素の再生が見られたという報告が多くあり、白斑の治療として推奨されています。
ただし紫外線治療に共通して生じる「発がん性の問題」がはっきりしていないため、照射の回数や照射量に留意する必要があります。
PUVA療法
PUVA療法では、ナローバンドUVB照射療法と同様に紫外線を使った治療法になります。異なるのは短い波長の紫外線を活用する点です。PUVA療法はすでに1996年時点でアメリカ合衆国皮膚科学会によって推奨されており、日本でも一般的に使われている治療法です。
外科的治療
広範囲の白斑や他の治療法で十分な効果が得られない場合、外科的治療が選択されることがあります。代表的な方法として、正常な皮膚を白斑が生じている皮膚に移植する方法があります。ただし、すべての外科的治療に共通して、1年以内に進行がないケースに対してのみ推奨されています。
(出典:日本皮膚科学会「尋常性白斑診療ガイドライン」)
白斑になりやすい人・予防の方法
白斑は、自己免疫疾患をもっている人や家族に白斑の患者がいる人は発症しやすいと考えられています。また、頻繁に紫外線を浴びる生活をしている人や物理的な刺激が加わりやすい部分に発症しやすい傾向があります。
そのため、予防として紫外線対策やスキンケア、皮膚に刺激を与えすぎないことが大切です。皮膚のバリア機能を維持しながら、紫外線や物理的な刺激を回避し、白斑のリスクをなるべく下げるようにしてください。
自律神経の乱れも原因の一つとして考えられているため、ストレス管理も合わせてしていくことが重要です。
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参考文献
National Library of Medicine「Vitiligo」
日本皮膚科学会「白斑」
日本皮膚科学会「尋常性白斑診療ガイドライン」
厚生労働科学研究成果ベース「白斑の診断基準及び治療方針の確立」
東京医科大学「白斑外来」
配信: Medical DOC
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