「卵巣がん」を発症しやすい「年齢層」はご存知ですか?症状についても解説!

「卵巣がん」を発症しやすい「年齢層」はご存知ですか?症状についても解説!

卵巣がんは、初期にはほとんど自覚症状がないため早期発見が難しい女性特有の病気です。卵巣がんは、気付いたときには進行しているケースがほとんどで、婦人科がんのなかでも死亡率が高いのが特徴です。

卵巣がんは近年発症する人が増えていますが、厚生労働省が推進するがん検診の対象に入っていないため、認識されていない方もいるでしょう。

卵巣がんを早期に発見するためには、自ら定期的に婦人科を受診して、卵巣のチェックを受けることが大切です。

本記事では、卵巣がんを発症しやすい年齢や症状、予防法を解説します。卵巣がんの適切な知識が身に付き、ご自身の健康を守る一助にしていただければ幸いです。

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監修医師:
阿部 一也(医師)

医師、日本産科婦人科学会専門医。東京慈恵会医科大学卒業。都内総合病院産婦人科医長として妊婦健診はもちろん、分娩の対応や新生児の対応、切迫流早産の管理などにも従事。婦人科では子宮筋腫、卵巣嚢腫、内膜症、骨盤内感染症などの良性疾患から、子宮癌や卵巣癌の手術や化学療法(抗癌剤治療)も行っている。PMS(月経前症候群)や更年期障害などのホルモン系の診療なども幅広く診療している。

卵巣がんとは?

卵巣がんは、子宮の両隣にある卵巣に発生する悪性の腫瘍です。卵巣がんは発生する組織によって、上皮性腫瘍・胚細胞腫瘍・性索間質性腫瘍に分けられ、卵巣を覆っている上皮から発生する上皮性腫瘍が90%を占めています。
卵巣は通常うずら卵くらいの大きさですが、卵巣がんになると腫大し、大きいものでは30cmを超える場合もあります。初期の自覚症状が乏しいため早期発見が難しく、卵巣がある程度腫大し腹水が貯留するなど、がんが進行してから症状が現れて診断されるケースが少なくありません。
卵巣がんの原因は、排卵回数が多いことが挙げられます。月経不順・肥満・子宮内膜症・家族に卵巣がんになった人がいる・高タンパク・高脂質の食事などもリスク要因です。
食生活の欧米化や出産年齢の高齢化などライフスタイルの変化などにより、国内の卵巣がん患者さんは増加傾向にあります。年間に約13,000人の女性が罹患し、約5,000人が亡くなっている現状です。
卵巣がんは婦人科がんのなかでは診断された人の約半数が亡くなっている、女性にとって注意が必要ながんのひとつです。

卵巣がんを発症しやすい年齢

卵巣がんは上皮性腫瘍・胚細胞腫瘍・性索間質性腫瘍に分けられ、なかでも90%以上を占めるのが上皮性腫瘍です。
年齢が上がるにしたがって卵巣がんのリスクは高くなり、死亡率も増加傾向にあります。発症しやすい年齢をみてみましょう。

発症しやすい年齢は40~60代

卵巣がんは、40~60歳代の女性に多くみられる病気です。発症には排卵の回数が関係しており、排卵が多い程リスクが高くなると考えられています。卵巣がんの約90%は卵巣を覆う被膜に発生する上皮性腫瘍です。卵巣は成熟した卵子を周期的に排卵する器官で、毎月の排卵のたびに傷つき、次の排卵までに修復を繰り返します。
卵巣被膜の傷つきと修復の繰り返しが、遺伝子の情報伝達ミスを起こし、がん化につながるといわれています。
閉経を迎える40~60歳代の方は排卵回数が多いと考えられるため、卵巣がんを発症しやすいです。

高齢になる程死亡率が高くなる傾向にある

卵巣がんの死亡率は50歳以降増加し、高齢になる程高くなる傾向にあります。がんになりやすい大きな理由は高齢化の影響であると考えられています。

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