卵巣がんの症状
卵巣がんは、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。みつかったときには進行しているケースも少なくないため、以下のような症状がみられた場合には早めに婦人科を受診しましょう。
初期は無症状のことが多い
卵巣は骨盤の奥にあるため、がんが進行するまで症状が現れにくく、初期は無症状のことがほとんどです。卵巣腫瘍があっても月経は順調なことが多く、子宮がん検診や内科などを受診した際に偶然発見されることも少なくありません。
下腹部にしこりができる
本来はうずら卵くらいの大きさの卵巣が、こぶし大くらいまで大きくなると、しこりとして感じるようになります。横になって下腹部を触ってみて硬いしこりが触れたら、卵巣がんの可能性があります。
服のウエストがきつく感じる
いつも着ているスカートやズボンがきつく感じる場合には、腫瘍によってウエストが大きくなっている可能性があります。
食欲が低下する
腹水で胃や腸が圧迫されると、すぐにお腹がいっぱいになったり、食べ物のとおりが悪くなったりして食欲低下がみられます。
お腹が前に突き出る
腫瘍が大きくなったり腹膜播種を引き起こしたりすると、がん細胞による炎症を和らげようとして腹腔内に腹水が溜まります。腹水が溜まると腹囲が増大し、臨月の妊婦のようにお腹が前に突き出ることがあります。
頻尿になる
腫瘍が大きくなったり腹水が溜まったりすると、膀胱が圧迫されて少しの尿でも尿意を感じ、トイレの回数が増えます。
便秘になる
大きくなった腫瘍が直腸を圧迫するため、便秘になる場合があります。
脚がむくむ
腫瘍が大きくなると、リンパ管の圧迫や血液循環の悪化により、脚がむくむことがあります。
卵巣がんの予防法
卵巣がんの予防法は確立されておらず、子宮頸がんのような予防ワクチンなどもないのが現状です。卵巣がんを防ぐには、若いときから低用量ピルを服用し、排卵を抑えるのが有効といわれています。
あわせて卵巣がん予防に重要なのは、婦人科の定期健診による早期発見・早期治療です。一般的な子宮がん検診では、内診と子宮頚部の細胞検査だけが行われることが少なくない現状です。まれに卵巣がんが発見されることもありますが、初期の卵巣がんの場合、内診だけでは見落としてしまう可能性があります。
卵巣がんを調べるには、経腟超音波検査やがんマーカーなど病院で行う婦人科の個別検診を受けることが重要です。卵巣がんは月単位で病変が変化する場合があるので、毎年の定期的な検診が早期発見につながります。
がんの発症には、食事・ストレス・喫煙・過度な飲酒・運動不足・肥満・免疫低下も関係しているといわれています。卵巣がんのリスクになる高脂質の食事を改善したり、リラックスできる時間を持ったりするなど、がんになりにくい体づくりを心がけましょう。
また、特定の遺伝子(BRCA1遺伝子・BRCA2遺伝子)に変異が認められた女性には、卵巣卵管の予防切除を行う場合があります。
配信: Medical DOC