「角膜ヘルペス」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

「角膜ヘルペス」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

角膜ヘルペスの前兆や初期症状について

角膜ヘルペスの初期症状は、眼のかすみや異物感、充血、無意識に涙がでるなどです。

角膜ヘルペスは早期治療が重要なので、初期症状がでた段階で医療機関に受診することが望ましいです。

角膜ヘルペスの検査・診断

角膜ヘルペスが疑われる場合は、細隙灯顕微鏡検査で角膜の状態を確認した後、分離培養同定や蛍光抗体法でHSVの有無を調べて確定診断となります。
補助診断として、PCR法や角膜知覚検査が用いられることもあります。

細隙灯顕微鏡検査

細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査は、フルオレセインという黄色の薬品で眼を染色し、専用の拡大鏡で眼の表面を確認する検査法です。
フルオレセインによって細胞が傷ついた部位に色がつくため、角膜の欠損状態が観察しやすくなります。
上皮層の欠損状態を観察することで、樹枝状角膜炎や地図状結膜炎の所見がわかります。

分離培養同定

分離培養同定は、眼の表面を綿棒でこすって採取したウイルスを、分離させて培養する検査です。
培養して詳しく調べることで、角膜に付着しているウイルスの有無や量、種類を特定できます。

蛍光抗体法

蛍光抗体法では、角膜から採取したウイルスに蛍光色素で標識された抗体を添付して、反応がでるか確かめます。
採取したウイルスがHSVだと抗体が反応して結合し、光を放出するため、顕微鏡で観察できる仕組みになっています。

PCR法

PCR法は点眼で麻酔をした後に角膜からウイルスを採取し、専用の機械でウイルスの遺伝子を調べる検査です。
角膜ヘルペスの場合は、体内に潜伏していて病気の原因になっていないHSVを検出させないために、リアルタイムPCR法が有用とされています。

角膜知覚検査

角膜知覚検査はConchet -Bonnet 角膜知覚計という知覚計を用いて検査します。
知覚計の先端に付着しているナイロン糸を角膜の中央に垂直に当てたときの感じ方や、反応を確かめます。
知覚計はナイロン糸が短いほど圧迫力が強い仕組みになっているため、ナイロン糸が40mm未満でも反応がない場合や、左右差が大きい場合は角膜の知覚低下と判断します。

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