「余命半年を宣告された女性との出会い」私が見た、彼女が望む穏やかな最期とは【体験談】

「余命半年を宣告された女性との出会い」私が見た、彼女が望む穏やかな最期とは【体験談】

私は、介護業界で働いています。自分が携わった80代の女性に大腸がんが見つかったとき、余命半年と宣告されました。抗がん剤などの積極的な治療を選ばず、在宅医療に切り替える決断をしました。

私が出会った1人の高齢女性

その女性は、自宅で家族と共に過ごす時間を大切にしました。家族も協力的で、長女は専業主婦、次女はリモートワークをしながら、2人が交代で泊まり込みました。介護保険と自費でヘルパーの毎日訪問を手配し、看護師も医療保険で毎日訪問、定期的な医師の訪問もあり、在宅での療養環境は整いました。

また、その女性はエンディングノートをつけていて、葬儀の場所や誰に連絡するか、遺影の写真など、細かい部分まで生前に決めていました。終末期においては、痛みを和らげるためにがん性疼痛緩和のための医療用麻薬(いわゆるがん麻薬)が使用されました。意識は朦朧(もうろう)とする中でも痛みから解放され、穏やかな時間を過ごすことができていたのではないかと思います。

穏やかな最期を迎えた女性

最期は家族に見守られながら静かに息を引き取りました。 家族は、彼女が望んだかたちで最期を迎えられたと感じています。彼女の選択と決意、家族の支えがあったからこそ、穏やかな最期を迎えることができたと思っています。

関連記事: