「類天疱瘡」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「類天疱瘡」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

類天疱瘡の前兆や初期症状について

類天疱瘡は、水疱性類天疱瘡または粘膜性類天疱瘡で症状の特徴が異なります。

水疱性類天疱瘡

皮膚にかゆみを伴う赤い発疹や緊満性水疱(膜が厚く破れにくい水疱)があらわれるのが特徴です。
これらの症状は、手足や体幹など身体の広範囲にわたって見られることが多く、水疱が破けることでびらんが生じます。まれに口腔などの粘膜に生じることもあります、ほとんどは皮膚に症状があらわれます。

粘膜性類天疱瘡

主に口腔や眼の粘膜に症状があらわれます。口腔では、歯肉や頬の粘膜に好発するのが特徴です。また、口腔だけでなく、咽頭や喉頭、食道などにも症状があらわれることがあり、重篤な場合は呼吸困難に陥る場合もあります。
水疱性類天疱瘡と異なり、皮膚には症状がほとんど見られません。症状があらわれても軽度な場合が多いです。

類天疱瘡の検査・診断

類天疱瘡の診断は、定められている診断基準をもとに行われます。診断を確定させるには、皮膚生検または蛍光抗体直接法の検査が必要です。最近では、ELISA法と呼ばれる検査が出てきており、皮膚生検や蛍光抗体直接法よりも早く、正確に検出できるようになったため、積極的に使われるようになってきています。

また、間違った診断によって適切な治療が行われないと重篤化する恐れがあるため、できるだけ早期に皮膚科の専門医に診てもらうことが重要になります。

皮膚生検

症状があらわれている皮膚の一部を採取し、顕微鏡で観察します。類天疱瘡であれば表皮と真皮の間に水疱が作られているのが確認できます。組織を採取する際には、基本的に局所麻酔が行われるため、患者への負担も少ないです。

蛍光抗体間接法

皮膚生検で採取した組織を使い、蛍光抗体間接法を行うことがあります。蛍光色素を結合させた抗体に光を照射すると、蛍光色素が発光し、抗体に沈着していることが確認できると類天疱瘡の診断が確定されます。

ELISA法

別名、酵素結合免疫吸着測定法と呼ばれ、目的である抗体を検出することができます。保険適用内での検査も可能です。非常に感度が高いため、微量の抗体でも検出可能です。

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