「依存症」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「依存症」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

依存症の前兆や初期症状について

依存症は初期段階で何らかのサインが見られます。代表的な依存症の前兆や初期症状は以下のとおりです。

アルコール依存症

アルコール依存症では、本人が気づかないうちに以前より頻繁に飲酒するようになり、飲む量も増えます。飲みたいという欲求が強くなり、飲酒を隠すような行動も見られることがあります。

また、周囲からの指摘を気にしなくなったり、激しく否定したりするのも特徴です。次第にアルコールに対する耐性がつき、同じ量では満足できず「もっと多く飲みたい」という衝動に駆られるようになります。

ニコチン依存症

タバコに含まれる「ニコチン」による依存症では、吸う本数の増加が見られるようになります。本人が気づかないうちに、以前より頻繁にタバコを吸い、無意識に手が伸びるようになるのが特徴です。

「禁煙したい」と思っても、やめられずに失敗に終わることが多いです。健康への影響も気にしなくなり、周囲から禁煙を勧められても無視する傾向が見られます。こうしたことを繰り返し、より多くのタバコを吸うようになります。

ゲーム依存症

最初は趣味やストレス解消として始めたゲームが、次第に生活の中心となり、やめられなくなります。

最初は1日1時間程度だったのが、3時間、4時間と徐々に増加し、最終的には仕事や学業に加え、食事や睡眠にまで支障をきたすほどになります。ゲームをしていないと不安やイライラが募ることもあります。

また、ゲームのために人間関係を犠牲にするケースもめずらしくありません。それによって孤立感が増し、ゲームへの依存性が高まる悪循環に陥りやすくなります。

ギャンブル依存症

ギャンブル依存症では、ギャンブルに費やす時間や掛け金が増えていきます。最初は娯楽として始めたギャンブルが徐々に日常生活の中で優先事項になり、やめたくてもやめられない状態となります。
最終的には生活に必要なお金にまで手を出すようになり、貧困につながったり、家族・友人との関係に亀裂が生じたりすることもあります。

薬物依存症

薬物の使用頻度や量の増加が見られるようになります。ストレス解消や好奇心、周囲からの勧めで少量の摂取から始まり、次第に薬物に耐性がついてしまい、より強い効果を求めて摂取量が増えます。

薬物を使用していないときは、不安、イライラ、体の痛みなどの禁断症状を生じます。それによって、薬物を使用して一時的に症状を和らげようとし、さらに依存が深まる悪循環に陥ることがあります。

インターネット依存症

インターネットに多くの時間を費やすようになります。ソーシャルメディア、動画視聴、オンラインゲーム、チャットなどに長時間を割き、気がつけば何時間も過ぎていると感じるのが特徴です。食事や睡眠、家族との時間が後回しになります。

また、インターネットが使えない状況だと、イライラや不安から何とかして接続しようとする行動が見られます。

依存症の検査・診断

依存症の検査では始めに、日常の中で特定の物質や行動にのめり込んでいるものがないかを詳しく問診します。そのうえで、アメリカ精神医学会が定めた精神障害の診断・統計マニュアル「DSM」やWHO(世界保健機構)によって定められた国際疾病分類「ICD」の診断基準をもとに診断します。

一般的に他の病気では、画像検査や血液検査にて確定診断を行うことが多いですが、依存症では「血中のアルコール濃度が高い=アルコール依存症」と診断はできません。

関連記事: