場面緘黙症の前兆や初期症状について
場面緘黙症の初期症状は入園や入学、転居など、環境が変化したときに突然人前で話せなくなることです。
新しい環境における発話の難しさやストレスが原因となって発症することが多いです。
人見知りや恥ずかしがり屋の子どもは、新しい環境に入っても1ヶ月ほど経てば慣れて話せるようになりますが、場面緘黙症の子どもは話せない状態が1か月以上続いたり、リラックスできる場面でも話せない状況が続きます。
また話せないことだけでなく、人前で食事が摂れない・トイレに行けないなど行動面の抑制症状が同時に出現することもあります。
場面緘黙症の検査・診断
場面緘黙症は症状や不安の程度、コミュニケーション行動、発達面が判断できるアセスメントツールも使用して、結果から得られた情報と併せて診断します。
場面緘黙症の子どもは医療機関や相談機関の検査室で話せないケースが多いため、アセスメントツールは保護者にておこなう必要があります。
検査室で検査できそうな場合は、言語面や発達面などの検査(絵画語彙発達検査やWISC-Ⅳ知能検査など)を追加でおこないます。
場面緘黙症の症状の検査
場面緘黙症の症状の程度を把握するには、場面緘黙質問票(SMQ-R:Selective Mutism questionnaire-Revised)を使用します。
質問票の項目は全部で16項目あり、保護者が子どもの状態を回答します。
不安の程度やコミュニケーション行動の検査
場面ごとの不安や発話の状態を把握するために、安心度チェック表や発話状態チェック表を使用します。
友人や教師とコミュニケーションが上手く取れない場面や、子どもの不安が大きくでる場面などについてチェックします。
保護者だけでなく教師からの情報を記載することもあります。
発達の検査
津守式乳幼児精神発達診断検査や日本語版子どもの行動チェックリスト(CBCL/4-18:Child Behavior Checklist/4-18)という質問紙に保護者が回答し、子どもの社会的能力や問題能力を確かめます。
自閉症スペクトラム症のスクリーニング検査である、広汎性発達障害日本自閉症協会評定尺度(PARS:Pervasive Developmental Disorders Autism Society Japan Rating Scale)も用いられます。
配信: Medical DOC