爪甲剥離症の治療
爪甲剥離症の治療は、症状の原因に応じて適切に行われます。原因がはっきりしている場合、根本原因への対処を行いますが、特発性爪甲剥離症のように原因が特定できない場合には、対症療法が行われます。
原因の除去
検査によって判明した爪甲剥離症の原因を取り除くことが最も重要です。
例えば、爪甲剝離症がカンジダによって引き起こされている場合、抗真菌薬の服用やクリーム・軟膏の塗布が必要です。
爪甲剝離症を引き起こす全身疾患や皮膚疾患がある場合は、その原因疾患の治療が第一選択となります。また、過度なネイルケアや頻繁な洗剤・溶剤の使用を行っていることが原因の場合は、避けるように指導することも治療の一つとなります。
原因不明の場合
特発性の爪甲剝離症は進行することがあまりないため、治療は症状の緩和を目的とした対症療法が中心です。
保湿剤や栄養クリームで爪と周囲の皮膚を健康に保つ、治癒の促進を期待した薬物療法などを行う場合が多いです。改善が見込めない場合は、爪の病気に精通した医師がいる皮膚科を受診するとよいでしょう。
爪甲剥離症になりやすい人・予防の方法
仕事やスポーツで手足を酷使する人や、頻繁に水や洗剤、溶剤に触れる機会が多い人は爪甲剝離症を発症するリスクが高いと言えます。さらに、乾癬やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患をもっている人や甲状腺機能亢進症や糖尿病などの全身疾患をもっている人も爪甲剥離症の原因の一つのため発症しやすいです。
予防方法としては、原因からの回避と爪の保護が基本となります。具体的には、水や化学物質に触れる機会が多い場合は手袋を使用する、カンジダ菌が入り込まないよう高温多湿の環境に身を置かない、過度なネイルケアや爪を使った行動を控えるといったことが挙げられます。
また、発症しても早く治癒できるよう、人間ドックなどで定期的に健康チェックを行い、爪甲剝離症を引き起こす病気の早期発見・早期治療を目指すことも重要です。
爪に異常が見られた場合は、早い段階で対応することが重要です。普段から、爪の色や質感に変化がないかを注意しておくとよいです。
関連する病気
爪白癬(水虫)
乾癬
疥癬
尋常性疣贅
参考文献
National Library of Medicine「Idiopathic/Simple Onycholysis: Response to Combination Topical Therapy」
WILEY Online Library「Pattern diagnosis of onycholysis」
日本皮膚科学会「爪の病気」
徳島県医師会「爪甲剝離症」
配信: Medical DOC
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