歯磨きは最初にフロス。使用順序とタイミングが大切です。まつむら歯科クリニック院長松村先生にお伺いしました。

歯磨きは最初にフロス。使用順序とタイミングが大切です。まつむら歯科クリニック院長松村先生にお伺いしました。

自分ではきちんとケアしているつもりでも、知らぬ間に虫歯ができていたり、口臭が気になったり・・・なかなか難しいのがオーラルケアですよね。

歯のプロ、歯科医師は普段どんなケアをしているのでしょうか?

今回は、まつむら歯科クリニック 院長の松村賢先生に、先生自身がおこなっているオーラルケアについてお話を伺いました。

当院では予防歯科に力を入れており日々の診療でも、患者さんへ歯磨き指導を行なっています。

診療中もよく「先生は電動歯ブラシを使っていますか?」「どんなアイテムを使っていますか?」といった質問を良く受けます。

やはり皆様も歯科医師がどんなケア用品を使っているのか気になっているのだと思います。

本日は自身のオーラルケアについてご紹介したいと思います。

歯磨きの順序と愛用品

私は複数のデンタル用品を使用し、歯磨きを行なっています。

皆さんも家を掃除する際には、床はこのアイテム、キッチンにはこのアイテムという様に場所によって掃除用具が変わりますよね?

歯も同様で、掃除する場所によってアイテムを変えなければ、きちんと汚れを除去できません。

また。使用する順番によってプラークの除去率も大きく変わります。

そこで本日は、私の毎日の歯磨きルーティンをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1:フロス

一番最初にフロスを使用して、歯と歯の間の汚れを落とします。

歯間に汚れが詰まっていると、歯磨き粉に含まれる薬用成分が隅々まで行き渡らないからです。

歯ブラシで効率的に磨く為に、最初に歯間の汚れを落とすことをおすすめします。

私が使用しているフロスは、極細のマイクロファイバーでできている柔らかいタイプのものです。

フロスをしている時も歯茎をマッサージしている感覚で気持ちが良いです。

2:歯間ブラシ・エアフロス

次は歯と歯茎の境目を掃除します。

フロスでは掃除できない箇所ですので、歯間ブラシと口腔洗浄器(エアーや水を噴射して歯間を洗浄する機器)を使用しています。

口腔洗浄器を使用している理由は、毎回水を交換するため、常に清潔に使用できることと、空気と水のジェット噴射によって歯茎や歯を傷つけずケアできるからです。

歯間ブラシ、口腔洗浄器を交互に使用しています。

3:歯磨き粉を使用して歯ブラシ

次は歯磨き粉を使用して歯ブラシをします。

私は音波型電動歯ブラシを使用しています。

理由は、正しく使えることができればプラークの除去率が高いと考えているからです。

しかし、電動歯ブラシは電源さえ入れれば簡単に動いてくれる為、磨けた気分になりやすく、ブラシを適切な位置と角度で歯面に当てなければプラーク除去につながりません。

更には使用方法を間違えると、歯の磨耗や歯茎の退縮を引き起こす可能性もあります。

リスクもありますが、正しく使用すればとても効果がある為、電動歯ブラシを使用する際はぜひ歯科医院にて電動歯ブラシを使用した歯磨き指導を受けてから使用することをおすすめします。

歯磨き粉は、私は毎日コーヒー飲むので、研磨剤を含まずステイン(着色汚れ)を浮かせて落とすことができる、歯に負担なく磨けるものを選んでいます。

ステインが落ち、歯の白さを保てるので気に入っています。

4:舌磨き(朝のみ)

次に舌磨きをしています。

舌を出してみると白い苔の様なものが付着しています。

これが「舌苔(ぜったい)」と呼ばれるものです。

この舌苔とは実は細菌の塊で下の表面の凸凹に口内の細菌が蓄積して苔状になったもので口臭の原因にもなります。

磨き過ぎると、舌を傷つける恐れがある為、1日1回朝のみ掃除をしています。

舌の掃除には舌ブラシと、舌磨きにも使用できるペーストを使用しています。

匂いの原因となる「VSC(口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物)」の発生を抑制する効果等が期待できます。

5:洗口液

最後の仕上げに洗口液でうがいをします。

歯磨き後に使用することにより、歯磨きでは行き届かない歯間や歯茎に有効成分が行き渡り、より予防効果が発揮できます。

1日に何回歯を磨くべき??

歯磨きは食後3回(朝・昼・夜)しています。

食後に歯磨きをすることで、虫歯菌や歯周病の原因となる細菌の増殖を防ぎ、食事によって酸性に傾いた口内環境を中性に戻すことができます。

理想は毎食後に歯磨きをした方が良いのですが、なかなか時間が取れない場合もあります。

外出先で歯磨きができない場合は、水やマウスウオッシュでうがいをするようにしています。

以上が私のオーラルケアです。

歯ブラシや歯間ブラシもご自身の歯の状態に合ったアイテムを使用するとさらに効果が高くなる為、一度お近くの歯科医院に相談し、プロに自身に合ったアイテムを選んでもらい、使用してみてはいかがでしょうか。

[執筆者]

松村賢先生

まつむら歯科クリニック 院長

地元である宮城県大崎市にて「いつまでもおいしく食べる」を合言葉に、予防歯科に重点をおいた治療をおこなっています。

<経歴>

奥羽大学歯学部卒業(医師免許取得)

古川民主病院 臨床研修終了

東北大学大学院⻭学研究科博士課程修了(歯学博士)

仙台市内⻭科クリニック 分院長

まつむら⻭科クリニック開院

まつむら歯科クリニック

https://matsumura-dental-clinic.com/

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キレイ研究室
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「今よりもっと、これからもずっときれいでいるために。」をコンセプトに、化粧品開発、ヘルスケア、ネイリストなどさまざまなジャンルの専門家が、中立の立場から「キレイ」についてのコラムを発信しています。
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